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薬害イレッサ問題の早期全面解決に向けてのお願い

拝啓

 日頃の先生方のご活躍に心より敬意を表します。

 私達は、薬害イレッサ訴訟を進める原告団、弁護団、支援連絡会のものです。イレッサは、2002年7月に、わずか5月余の異例のスピードで、肺がん用抗がん剤として世界初の承認がされたました。

 がん細胞のみをねらい打ちする分子標的薬として副作用が殆どみられないと宣伝され、多くの肺がん患者が藁をもすがるおもいで飛びつきました。

 結果は、承認から2年半で600人近い人達がイレッサの副作用により残された大切な生命をあっという間に奪われたのです。

 2009年3月末までに少なくとも787人もの人達が副作用で亡くなったと報告されています。アメリカでは、一旦イレッサを承認したものの効果が無く副作用が強そうだと言うことから新規患者への投与が禁止されています。EUではEGFRという遺伝子に変異が認められる患者に限って今年から限定的に認められたという状況です。

 イレッサの承認にあたって条件とされた他の抗がん剤との比較試験(V15-32)では、他の抗がん剤に劣らない延命効果を確認することも失敗しました。

 このような多くの被害を出したのは、日本におけるイレッサの使用によるものだけという状況であり、まさに日本で生み出された「薬害」なのです。

 私達は、このような深刻な被害を生み出した企業と国の責任を追及して東京と大阪で薬害イレッサ訴訟を進めてきました。

 いよいよ、この訴訟も6年目を迎え結審が迫ってきています。

 私達は、この訴訟を通じて

  1. 薬害を発生拡大させた責任を被告らが認めて謝罪すること
  2. 被害者遺族へ正当な償いをすること
  3. イレッサの承認のあり方を見直すこと
  4. 抗がん剤の承認のあり方を見直すこと(延命効果の確認をきちんと行なうこと等)
  5. 抗がん剤副作用死の救済制度を創設すること(現行の医薬品副作用被害救済制度では抗がん剤は救済対象から除外)
  6. イレッサの承認過程等の検証を通じた薬害の防止への取り組みを行なうこと
を求めて訴訟を行っています。

 先生方には、ぜひこの薬害イレッサ訴訟を知って頂き、薬害イレッサ問題の早期全面解決に向けて、お力添え頂けますよう心よりお願い申し上げます。

敬具

2009年10月6日


薬害イレッサ東日本訴訟原告弁護団、東京支援連絡会

 〒171-0021
 東京都豊島区西池袋1-17-10 エキニア池袋6階
  城北法律事務所

 電話 03-3988-4866
 FAX O3-3986-9018

薬害イレッサ西日本原告弁護団、薬害イレッサ訴訟を支援する会

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 京都市中京区烏丸通東入 アーバネックス御池ビル東館6階
  御池総合法律事務所

 電話 075-222-0011
 FAX O75-222-0012


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