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2003. 冬号 たくみ外苑薬局
今年もつらい花粉症の時期が近づいてまいりました。
花粉症の3大症状「くしやみ」「鼻水」「鼻詰まり」これらの症状を起こす原因物質が違うため、薬も違います。また、眼のかゆみ、充血、なみだ眼などの症状を伴うこともあります。自分の症状、程度を知り、早めの対策を行いましょう。
花粉飛散量と花粉症の症状
花粉症の原因は主にスギ花粉、ヒノキ花粉があり、スギ花粉は3月、ヒノキ花粉は1月がピークです。それに伴い、症状も悪化します。花粉の量は前年夏の気象により影響されます。
2002年が猛暑だったため、2003年も4年1議の大量飛散と予測されています。
@花粉が体内に侵入すると、体内では、IgE抗体というものが花粉は異物と認識し、アレルギー反応を引き起こす肥満細胞に結合します。
A再び花粉が侵入し、肥満細胞に抗体が付着するとアレルギー反応がおきます。肥満細胞から花粉を排除しようとヒスタミン、ロイコトリエンという物質が放出されます。ヒスタミンはくしゃみ・鼻水を引き起こし、ロイコトリエンは鼻詰まりを引き起こします。
ヒスタミンやロイコトリエンの放出のタイプや量は人それぞれで、「くしゃみ・鼻水型」「鼻詰まり型」両方の「混合型」とあります。
遊離抑制薬 ヒスタミン、ロイコトリエンの放出を防ぎます
リザラスト、リザペン点眼、メインター点鼻、点眼
1〜2週間で効果発現します。眠気、口の渇きなどの制作用も少なく、効果もマイルドです。
抗ヒスタミン薬 ヒスタミンによる刺激を抑えます
第1世代: | タベジール、ポララミン、メキタミン、ホモクロミン |
第2世代: | アレルオフ、アレジオン、アレロック、セルマレン、ケトテン、ザジテン点眼、リボスチン点眼 |
第1世代は10〜20分で効果発現します。眠気、口の渇き、倦怠感などの副作用があります。第2世代は1〜2日で効果発現し、鼻詰まりにも有効とされています。副作用は第1世代に比べ少なくなっています。
血管収縮薬: トーク点鼻
すぐに効果を発現します。鼻詰まりがひどい時のみ短期間だけ使用します。使いすぎると反動で鼻詰まりがひどくなることがあるので1日1〜2回にし、連用は避けましょう。
ステロイド薬:
プレドニン、セレスタミン(抗ヒスタミン配合)、フルオロメトロン点眼、アルデシンAQネーザル、ナナドラネーザル、コールタイジンスプレー
点眼薬や点鼻薬は1日で効果発現し、3ヶ月程度の使用ならば副作用はほとんどありません。しかし、点眼の場合、眼圧を上げたり、白内障を悪化させたりする場合があるため注意しましょう。内服薬は服用したその日に効果発現します。しかし、胃障害、糖尿病の悪化などの恐れがあるので注意しましょう。
☆混合型は、症状のひどい型を優先して薬剤を使います☆
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Q)花粉症の薬はいつから服用すればよいのですか?
A)花粉症の治療は、症状の出る前、ごく症状の軽い時期から薬を服用しましょう。抗アレルギー薬を服用することで症状の発現を遅らせ、重症化を防ぐことができます。花粉の飛散開始日は治療を始める目安になります。今年の花粉飛散開始日は2月10日と予測されているので、その2週間前程から治療を始めるのがよいでしょう。
花粉症は、抗体がある一定以上つ<られるとアレルギー症状を発症するものなので、推に、いつ起きるか予測がつかないものです。特にアレルギー体質、花粉を浴びやすい環境にいる人は注意が必要です。外出時はマスク、めがねをする、帰宅時には家に入る前に衣服についた花粉を払い落とす、顔や眼を洗うなど予防に心がけましよう。
重症度は1日のくしゃみ、鼻をかんだ回数、鼻詰まりの度合い(どのくらい口呼吸したか)によって分類されます。花粉のシーズン中は、重症度が変わったり、タイプが変わったりするので、定期的に受診し、医師に症状、薬の効果をしっかり伝えましょう。
<参考文献>
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