2001年11月 わかば薬局発行
禁煙について
タバコの煙には、人体に有害な物質が沢山含まれています。喫煙者だけでなく、そのまわりにいる人も火のついたタバコからでる煙(副流煙)を吸い込んでしまえば当然健康に影響があります。タバコを吸う人は吸わない人に比べて何倍も、この様な病気にかかりやすいのです。
循環器疾患: | 心筋梗塞、狭心症、高血圧など |
呼吸器疾患: | 慢性気管支炎、喘息、肺気腫など |
消化器疾患: | 胃潰瘍、十二指腸潰瘍など |
ガン: | 肺ガン、咽頭ガン、膀胱ガンなど |
タバコには依存性があります。
1つは心理的依存といって、喫煙が習慣となってしまっている場合を言います。 例えば、「食後に一服」「運転中に一服」「仕事の合間に一服」など普段、無意識のうちに吸っている場合は心理的依存が原因と考えられます。
もう一つはニコチン依存といって、タバコに含まれる『ニコチン』という物質に身体的に依存してしまっている場合を言います。
普段タバコを吸っている人が、禁煙しようとすると「イライラする」「落ち着きがない」「眠れない」などといった症状がでることがあります。この症状をニコチン離脱症状と言い、禁煙によって体の中からニコチンが抜け出して行ってしまうために起こる症状なのです。禁煙にチャレンジされた事のある方なら経験があるのではないでしょうか?
質問 | 0点 | 1点 | 2点 |
---|---|---|---|
朝目覚めてから何分位で最初のタバコを吸いますか? | 30分後 | 30分以内 | |
禁煙しなくてはいけない場所で我慢するのは難しいですか? | いいえ | はい | |
1日の中でいつ吸うタバコがやめにくいですか? | 右記以外 | 目覚めの1本 | |
1日何本吸いますか? | 15本以下 | 16〜25本 | 26本以上 |
午後より午前中によくタバコを吸いますか? | いいえ | はい | |
風邪を引いている時でもタバコを吸いますか? | いいえ | はい | |
タバコを肺まで吸い込みますか? | 吸い込まない | 時々 | 吸い込む |
吸っているタバコに含まれているニコチンの量は? | 0.9mg以下 | 1.0〜1.2mg | 1.3mg以上 |
0〜3点:依存度が低い、4〜6点:中程度、7点以上:依存度が高い
最近、健康を気にするためか「タール1mg、ニコチン0.1mg」などといった非常に軽いタバコが売れているようです。しかし、軽いタバコなら本当に安全なのでしょうか?
残念ながら安全とは言えません。普段吸うタバコより軽いので本数が増えたり、深く吸い込んでしまったりするため、知らないうちにタール、ニコチン以外の有害物質を多く体内に取り込んでしまっているのです。軽いタバコの方がより注意が必要です。
禁煙する時に現れる脱離症状(いらいら、不眠、集中力低下)に対して、タバコ以外の方法でニコチンを体内に取りこみ、症状を楽にして禁煙を成功させようとする治療法です。
1枚あたり ニコチネルTTS30:¥430 20:¥400 10:¥380
このお薬は、1日1回24時間、身体の一部(上腕部、腹部、腰背部のいずれか)に貼る貼り薬で、皮膚からニコチンが吸収されます。ニコチネルTTSには3種のサイズがあり、それぞれ含まれているニコチンの量が異なります。一般的には、下の表のようなスケジュールで8週間使います。
*必ず医師の処方箋が必要です。
ニコチネルTTS30 | ニコチネルTTS20 | ニコチネルTTS10 |
禁煙開始日から4週間 | その後2週間 | その後2週間 |
(ニコチンガム製剤)48個入り:¥3,950 96個入り:¥6,900
*2001年9月から薬局で買うことができるようになりました。
ガムとなっていて、噛むことによって口の中の粘膜から吸収されます。噛み方は、後の図を参考にして下さい。
<一日に使う目安>
禁煙前の一日の喫煙本数 | 一日の使用個数 |
---|---|
20本以下 | 4〜6個 |
21〜30本 | 6〜9個 |
31本以上 | 9〜12個 |
一日に使う数を減らしていき3ケ月でやめるようにします。
お薬だけで100%禁煙できるわけではありません
(1) シートから1個を切り離します。裏面のシールをはがし、下のアルミに切れ目を入れ、指で押し出します。
シールをはがす
指で押し出す
(2) ビリッとした味を感じるまで、ゆっくりとかみます(15回程度)。かみはじめの時は、味が強く感じることがありますので、なめたり、かむ回数を減らすなどしてください。
ゆっくりかむ
(3) そしてほほと歯ぐきの間にしばらく置きます(味がなくなるまで約1分間以上)。
ほほと歯ぐきの間
(4) (2)〜(3)を約30〜60分間繰り返した後、ガムは紙などに包んで、小児の手の届かない所に捨ててください。
約30〜80分で捨てる
ニコチンの副作用として、不眠、頭痛、めまい、吐気、食欲不振などがあります。これは、ニコチンを多く取りすぎてしまったために起こる副作用です。
お薬の個々の副作用としては、次のようなものがあります。
ニコチネルTTS | 貼った部位に軽度の発赤やかゆみが発現することがありますが、その場合、大きく貼る場所を変えてみてください。 |
ニコレット | 口内炎、のどの痛み・腫れ、腹痛、胸痛が起こることがあります。 |
このような症状が現れた場合は、早めに医師に相談するようにして下さい。