くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.97:禁煙しましょう!~禁煙の強い意志と禁煙補助薬を活用して~

薬剤師 神谷麻里

近年、喫煙できる場所が減ってきています。ある地域では公道に面している事業主は、私有地でも喫煙所を撤去しなければならないという条例を新たに定め、2014年7月から施行。コンビニやスーパーの喫煙所もますます減るようです。

さらに、それらの影響で公園やお店など一部の場所に喫煙者が集中するため、子供たちが公園で遊べない、洗濯物を外に干せないなどの事態も問題になっています。これらを機に禁煙してみませんか?

禁煙治療は、2006年から4つの条件を満たせば、健康保険を利用して進めることが可能になっています。その条件とはニコチン依存症を診断するテストで5点以上、一日の平均喫煙本数×喫煙年数=200以上、1か月以内に、禁煙を始めたいと思っている、禁煙治療を受けることに文書で同意することです。また、保険での禁煙治療が受けられる医療機関は決められているので、事前の確認が必要となります。

治療に使う禁煙補助薬は、「飲み薬」と「貼り薬」の2つあります。治療期間は前者3か月、後者2か月が基本です。

飲み薬は、ニコチンを含まず、イライラなどのニコチン切れ症状を軽くし、たばこをまずいと感じるようになります。

貼り薬は、ニコチンを含み、ニコチンの量を少しずつ減らすことでニコチン切れ症状を徐々に和らげます。

共通の主な副作用としては、頭痛・便秘・吐き気・不眠・めまいなどがあり、その他に飲み薬では眠気や意識障害等があり、自動車事故の報告があるので、服用期間中は車など危険を伴う機械操作はできません。貼り薬では、かぶれ・かゆみなどの副作用が多く、その他にニコチン作用として動悸・ほてりなどがあります。

喫煙本数が多く、喫煙期間が長いほど治療をしてもやめにくいのではないかと思う方も多いと思いますが、実際に治療を受けられた方で、本数・期間に関係ない結果が出ています。つまり、やめたいと思う強い意志がとても重要なのです。

治療を中断してしまうと、禁煙に失敗する確率が高くなることがわかっています。また、保険適用となるのは1年に1回だけなので、治療を開始したら、中断せずに最後まで続けましょう。

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