くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.95:治療中の薬の自己判断でやまないで

たくみ外苑薬局 中村 めぐみ

2014年4月、日本人間ドック学会が発表した健康診断の「基準範囲」が新聞報道などで話題になっています。同学会が認定している200施設での、約150万人の健診受診者から、いわゆる健康人約34万人を選び出し、さらに、最終的に選ばれた超健康人の約1万~1万5千人の個々の検査値から基準範囲を定めたものです。

超健康な人とは

BMI25未満、喫煙なし、飲酒1合未満/日、血圧130/85未満の者。 既往歴に悪性腫瘍、慢性肝・腎疾患のある者は除く、退院後1ヵ月以内の者は除く、薬を常用している者は除く、B型肝炎・C型肝炎の者は除くという条件などをクリアした者を指します。
検査項目は、血圧、BMI、LDLコレステロール、中性脂肪、γ―GTPなどの27項目です。
その結果、従来の学会基準値と、大きくかけ離れたり、性別や年齢にばらつきがあった項目がありました。

LDLコレステロール値の上限値

そのなかで、LDLコレステロール値について、大幅に上限値が高い結果になりました。 LDLコレステロールは従来の学会が定めてきた判定基準値、60~119mg/dlを「異常なし」としています。
「基準範囲」では、男性は年齢に関係なく、72~178mg/dlと大幅に超えています。
女性は年齢別に3つのグループに分け、30~44歳は61~152mg/dl、45~64歳は73~183mg/dl、65~80歳は84~190mg/dlと示されたのです。

今回は中間報告

これに対して、動脈硬化学会が異論を唱えています。また、厚労省もはっきりとした基準を示していません。
基準範囲は、あくまでも人間ドック受診者の検査データ、つまり超健康人の基準値であって、従来のガイドラインの値とは異なります。
日本人間ドック学会が今回発表したのは中間報告で、今後5~10年かけて追跡調査していく方向です。
基準値に対して各学会から意見が飛び交っていますが、現在治療中の薬を自己判断でやめるようなことはしないで、医師の指示に従って下さい。
今後、国民全体が納得するように、科学的根拠に基づいて「基準値」が統一化されることを期待したいです。

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