くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.143:インフルエンザワクチン

松浦由佳 薬剤師 代々木病院

感染症の流行が気になる冬。インフルエンザもその一つ。
今年は、新型コロナウイルス感染症そのものや、その流行に対する個人の行動や公衆衛生上の対応で、影響が出る可能性がありますが、例年12月~3月が流行シーズンです。今回は、インフルエンザワクチンについてお伝えしたいと思います。

インフルエンザワクチンとは?

ホルマリン処理等により毒性をなくしたインフルエンザウイルスで、毎年、流行が予測されるA型株2種類、B型株2種類が入っています。
これを体内に接種する事で、抗体が作られて発症を抑えます。

効果
感染を完全に阻止する効果はありませんが、インフルエンザの発症を一定程度予防することや、発症後の重症化を予防する事に関しては、一定の効果があるとされています。ワクチンの最も大きな効果は、「重症化」を予防する事とされています。

効果持続期間
ワクチンの効果は接種後2週間から5カ月程度。抗体が作られるまでに約2週間かかるため、流行期間を迎える前に接種する必要があります。また、効果が続くのは約5カ月で、「昨年うったから今年も大丈夫」という事はありません。

接種回数
13歳以上:原則1回接種
13歳未満:2回接種

副反応
接種した場所(局所)の赤み(発赤)、はれ(腫脹)、痛み(疼痛)等が挙げられ、接種を受けられた方の10~20%に起きますが、通常2~3日でなくなります。全身性の反応としては、発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)等があり、接種を受けられた方の5~10%に起こりますが、こちらも通常2~3日でなくなります。

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