くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.122:薬のシートの誤飲に注意

速水 直子 薬剤師 代々木病院

薬を包装ごと飲みこんでしまい、喉や食道などを傷つけたという事故が未だに起きています。その為1錠ずつに切り離せないように包装のミシン目を一方向のみとし、誤飲の注意表示を増やすなどの対策がとられましたが、その後も依然として後を絶ちません。
1錠単位に切り離した薬の包装をそのまま飲み込んでしまうと、角が鋭利になるため、人体内部を傷つけることがあり、部位によっては穿孔するおそれもあります。
自力で取り出すことは難しく、X線写真にも写りにくい為、内視鏡や手術で取り出すことになり、身体への負担も大きくなってしまいます。

また痛みなどの症状が表れない場合は、誤飲したことに気付かない事もあります。誤飲を予防する為にも1錠ずつに切り分けることは止めましょう。
もし誤飲してしまったら、すぐに病院に受診しましょう。時間が経過すると誤飲してしまった薬の包装は発見しづらくなり、症状が重症化するおそれもあります。

薬の管理が難しい場合は1回分ずつの薬を袋にまとめて入れる「一包化」も出来ますので、医師や薬局に相談してみて下さい。

くすりの話 あれこれ ~代々木病院~ TOPへ戻る≫

TOPへ