くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.114:お薬手帳を持って来たら安くなる?

西村清志 薬剤師 たくみ外苑薬局

「お薬手帳をもってきたら安くなると聞いたのですが」と言われることがあります。確かにそうである場合もありますが、そうでない場合があります。

平成28年4月の調剤報酬改定で、薬局には「お薬手帳」を持って行った方が、薬局での料金が安くなる制度が設定されました。

2年前の調剤報酬の改定では、お薬手帳を忘れたり、不要の場合は安くなったので、そこだけがマスコミなどで強調されて、お薬手帳はいらないという方もいらっしゃいました。
一転して、今年4月からは、原則として、6ヶ月以内に同じ薬局を利用し、その際にお薬手帳を持って行った場合には、「薬剤服用歴管理指導料」が通常の500円から120円安くなり380円になりました。

自己負担が3割負担の方でしたら30~40円安くなることになります。ところが、この制度を利用できるのは、「調剤基本料」が410円の薬局に限られています。

医療機関の近くにあり、大きな薬局のように、「受付回数が月2000回を超えて、最も多い医療機関の処方せんの受付回数が90%を超えた場合」、「受付回数が月4000回を超えて、最も多い医療機関の処方せんの受付回数が70%超えた場合」などの薬局は、調剤基本料が250円に引き下げられ、このお薬手帳をもってきたら安くなる制度は認められませんでした。

たくみ外苑薬局も、受付回数が月2000回を超えて、最も多い特定の医療機関の処方せんの受付回数が90%を超えた場合に該当して、このお薬手帳をもってきたら安くなる制度は認められませんでした。
本来は安くなるとかならないにかかわらず、お薬手帳を患者の皆さん全員にもっていただいて、同じ1冊のお薬手帳に、病院や診療所の中でお薬を受け取る場合も、薬局でお薬を受け取る場合も、その都度、お薬手帳で、のみあわせの注意が必要な薬がないか、重複した薬がないかなども確認してもらい、そして今回のお薬の内容を記録してもらうことが大切です。

また、患者さんに、お薬を使用してから気になったこと、お薬の使用状況、残っている薬の状況なども、お薬手帳に記録していただけると助かります。 是非、医薬品を安全に適正に使用していただいて医療費を軽減していくためにも、お薬手帳を活用していただきたいと思います。

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