サプリメントに頼らない生活

No.82:認知機能改善を宣伝する食品

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

歳をとって認知症になることを心配する方は多いと思います。2020年の高齢者(65歳以上)で約600万人、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されています。

認知症は単なる物忘れと違い、朝ごはんを食べたこと自体を忘れるような病気です。普段やってきたことでミスが増える、慣れた道で迷う、話が通じなくなる、憂うつ・不安になる、気力がなくなる症状に悩みます。症状が進むと、怒りっぽくなって怒鳴る、誰もいないのに誰かがいると主張する、自分のものを誰かに盗まれたと疑うなど、家族に迷惑をかけるようになります。

消費者庁は3月31日、機能性表示食品の認知機能表示について、115業者に対して景品表示法と健康増進法に基づく改善指導をおこないました。インターネット広告において、届出の範囲を超えた宣伝が目に余ることへの行政措置です。

「認知症は早めに対策すれば発症や悪化を防げる」「認知症予防の救世主〇〇大学教授監修」などと表示をしていたり、届出表示が「中高年の方の認知機能の一部である記憶力(言葉や図形などを覚え、思い出す能力)を維持することが報告されています。」と限定的なのに、「記憶力を維持する」と単純に言い切っていたり、「受験生の考える力を鍛えるために」と範囲を拡げて宣伝していました。

誇大広告に気を付けましょう。

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