サプリメントに頼らない生活

No.68:怪しい効能表示、厳しく規制して

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

消費者が被る金銭被害として、効果が無いサプリメントの販売が何度も問題となりました。それを取り締まる消費者庁は、昨年3月過去最高額の課徴金納付命令を出しました。
「ズボラな私がこんなに変われました!」「約2カ月で58.3kgから51.2kgへ -7.1kg」といった広告でジェイフロンティア社が販売した「酵水素328選生サプリメント」について、合理的な根拠を示す資料の提出を求めた結果、誇大広告と認定し、2億4988万円の課徴金支払いを求めたのです。

本来、病気への効果や身体の構造・機能への効果などを「目的」としている物質は、医薬品として「薬機法」の規制を受けます。サプリメントの販売方法が未承認医薬品の広告規制違反に問われた場合、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこの両方が科せられます。しかし、法令違反を確定するのは行政の負担が大きいことから、不当表示をおこなった業者に対する行政措置をして2016年4月から景品表示法に課徴金制度が取り入れられました。当該商品売上額の3%を支払わせる、コロナ対策の特措法改正で話題になった「過料」と似た、前科の着かない経済制裁です。

しかし、消費者庁が2019年度に実施した課徴金納付命令は17件、前年度比3件減少という状況で、十分活用されているとはいえません。行政の奮起を期待します。

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