サプリメントに頼らない生活

No.16:乳酸菌を腸内で活躍させる食事

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

おなかの調子を整える食品として、乳酸菌は大切です。ヨーグルトなど乳製品が代表的ですが、カプセル・分包された粉など、手軽に飲めるサプリメントもあります。トクホとして販売されているものもあります。

医薬品としても、下痢症状を軽減する目的で使われます。免疫機能を調節し、アトピー性湿疹の改善をめざすなど、たくさんの研究がされています。しかし、下痢以外の効能では、十分な有効性を示す結果を得ていません。

乳酸菌とは、腸内にすんでいる善玉菌で、ビフィズス菌・フェカリス菌・ラクトミンなど多種類の総称です。ミルクの乳酸発酵から存在を知られるようになり、人間でも腸内環境を整える重要な役割を持っていることがわかりました。日本の食事では、漬け物から摂取する植物性乳酸菌も重要です。

生きた菌が腸に届かないと乳酸菌は役に立ちませんが、発酵でできた成分も健康に有用なため、発酵食品として食べることが健康に有用です。菌数が多いサプリメントは乾燥死菌を用いているため、期待する効果がでるのか疑問が残ります。

腸内に住む細菌群が健康的になれば、下痢だけでなく便秘も軽減できます。乳酸菌が活躍しやすい環境を作らないと、食べても定着できません。野菜(特に根菜類)、豆類、海藻類、キノコ類など食物繊維を多く含む食品と、乳製品をとることを心がけてください。

医薬品の価格は、1日3gで18.6円。サプリメントを買うときに、この価格と比べて高すぎる製品は、もったいないのでおすすめできません。

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