サプリメントに頼らない生活

No.10:「血液サラサラ」の危険性

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

「血液サラサラ」をめざして、さまざまな食品や医薬品が利用されています。効果があれば、副作用もあります。EPA(魚油の不飽和脂肪酸)の安全性を見てみましょう。

まず、血液が固まりにくくなるため、出血がすぐに止まらなくなります。医薬品として服用する量では安全ですが、1日3g以上の摂取では、出血傾向が起きることが指摘されています。手術や出血を伴う歯科治療を受けるときは、数日前から服用を中止するようにしましょう。
また、医薬品では肝機能障害、健康食品で滲出性紅斑といった。副作用が報告されています。

「血液サラサラ」とは、血液の流動性が高いことを表し、高脂血症でなく血管が詰まりにくい状態を意味します。2000年ごろからTVなどで使われるようになりましたが、悪徳業者が物品やサービスを高く売りつけるために広めたこともあり、間違った理解が広がっています。
血液サラサラは、「脳梗塞」「心筋梗塞」など血栓が詰まって重大な障害を起こすことの予防が目標です。医療現場では、血栓防止の薬を出すとき、血液サラサラの薬と説明することもあります。

予防策は、食事の改善・運動・ストレスの回避という、当たり前の健康法ですが、食品の宣伝に支配されています。俗に、お茶、魚(DHA・EPA)、酢、納豆、タマネギなどが血液をサラサラにする食品といわれています。
薬とサプリメントを飲み、その上に、サラサラにする食品をたくさん食べると、副作用の危険性が高まります。ご注意ください。

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