クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.33:ワクチン接種に伴う健康被害の救済について

東葛病院薬剤部 斉田 幸司

予防接種は感染症を防ぐために重要なものですが、極めてまれに健康被害の発生が見られます。万が一、予防接種によって引き起こされた副反応により、治療が必要になったり、生活に支障をきたすような健康被害が生じた場合は、医療費・障害年金等の補償が受けられる制度があります。予防接種法に基づき実施されるA類型疾病定期接種とB類型疾病定期接種は予防接種健康被害請求制度、任意予防接種は医薬品副作用被害救済制度に分けられます。

2021年現在のA類型定期接種ワクチンには、4種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)・MRワクチン(麻疹・風疹)・日本脳炎ワクチン・BCG(結核)・ロタウイルスワクチン・Hibワクチン・小児用肺炎球菌ワクチン・HPVワクチン(子宮頸がん)・水痘(水ぼうそう)ワクチン・B型肝炎ワクチンがあります。主に集団予防、重篤な疾患の予防を目的とし努力義務があります。B類型定期接種ワクチンには高齢者を対象としたインフルエンザワクチン・成人用肺炎球菌ワクチンがあります。主に個人予防を目的とし努力義務はありません。

どちらの制度も給付の種類は、①医療費、②医療手当、③障害児養育年金、④障害年金、⑤死亡補償(A類型は死亡一時金、それ以外は遺族一時金もしくはもしくは遺族年金)、⑥葬祭料となります。

予防接種健康被害救済制度は区市町村に申請し、厚生労働省で審議会にかけられ認定されれば市町村より支給されるため数カ月かかることもあります。詳細な手続きは、区市町村予防接種担当課にご相談ください。

医薬品副作用被害救済制度は医薬品医療機器総合機構(PMDA)が申請窓口です。

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