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「東葛の健康」連載コラム 2004年2月〜
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| No. | 月 | 表題 | 執筆者 |
|---|---|---|---|
| 55 | 2月 | 医薬品のコンビニ販売について | 中村 建 |
| 56 | 4月 | 不眠症とくすり | 間 規子 |
| 57 | 6月 | 機能性飲料 | 青木 千紘 |
| 58 | 8月 | 高尿酸血症・痛風について | 岡田まさ子 |
| 59 | 10月 | 知っててほしい 薬の皮フ障害 | 菊池知美 |
クスリあれこれ No.55 2004年2月
中村 建
市販されている医薬品でも、強い副作用が起こることを知っていますか? 最近わかった間質性肺炎、100万人に1人の確率で起きるとされているスティーブンスジョンソン症候群(SJS)、最も重症型の薬疹である中毒性表皮壊死症もかぜ薬や解熱鎮痛剤など一般用医薬品での発症が報告されています。発症すると、重い後遺症を背負ったり、時には死亡することもあります。
薬害を防ぎ、医薬品を安全に供給する道は、国と国民が一緒に作っていかねばなりません。しかし、内閣府「総合規制改革会議」では国民の利便性を高めるために医薬品をコンビニなどで無資格者でも販売できる様にしようとしています。「薬剤師が薬を売れば薬害が防げたのか?」「ろくに説明もしないで薬を売れるなら誰が売っても同じじゃないか?」「アメリカじゃどこでも薬が売られてるんだから何故出来ない?」こんな声を、TVも毎日のように流しています。
アメリカでは日本のような皆保険制度がありませんから自己責任で健康管理をします。その一方で、医薬品・健康食品市場では、FDA(日本の厚生労働省のような組織)の管理が行き届かない無法地帯ができ、その犠牲者もたくさんいます。ヨーロッパなどでは薬剤師など専門家を上手に使って健康管理をしています。だから医薬品を自由に販売するという意識は国民にはありません。
日本は、「アメリカの声」だけを聞けばいいのでしょうか? 都合のいい回答だけ引き出し、その他の声に耳を傾けていないのではないでしょうか。
セルフメディケーションで市販薬は「保険医療」から外される事も合わせて、今回の規制緩和に強く反対します。
参考:「医薬品無資格販売に向けた薬事法規制緩和は絶対に認められない」 北海道薬剤師会
クスリあれこれ No.56 2004年4月
間 規子 (あいだ のりこ)
早寝早起きで 朝をめでよう
ある本によると「現代は不眠の時代だ」とある…ストレスの増加、高齢化、職業や娯楽で「眠らないでいる」、「眠らないでいなければならない」人が増えていることを考えるとまさにそうだなと思います。
不眠は、大脳(眠らされる脳)を休養させようとする周りの脳(眠らせる脳)の働きが弱くなったり、周囲の静かな夜間環境が妨害されてしまうと起こりやすくなります。
不眠の症状には入眠障害、中途覚醒などがあり、不眠がどのタイプかを知ることは、睡眠薬を選ぶ手助けとなります。現在よく使われている睡眠薬はベンゾジアゼピンといわれているものです。この薬は脳の睡眠を促す部分に作用して、比較的自然に近い状態で眠ることができます。薬の効き方により超短時間型、短時間型、中間型、長時間型と分けられており、不眠のタイプによって合うものを使い分けていきます。
寝付きを改善するだけで良い時は超短時間型などで作用の早いものがよく使われます。ただし、効きは早いが、効いている時間は短いので、のんだ後、しっかり寝る態勢でいることが大切です。
熟睡できない、途中で目が覚めるなどでは短時間型、中間型、ときに長時間型の薬がつかわれたりします。ただし、日中まで頭がボーとしてしまうなど、翌日まで作用が残ってしまっているときなどは薬の調節が必要です。
いずれの薬にも、筋肉をゆるませる作用があります。起き抜けや、夜間のトイレの時にはふらつきに十分注意をしてください。
また、何年もの間、睡眠薬をのんでいる方は急に薬を止めてしまうことで、かえってひどい不眠になることがあります。自己調節はしないで必ず医師に相談しください。
不眠は薬だけでは改善されないことも多いもので、一人で悩まずに相談することも良い方法だと思います。
余談ですが、「春はあけぼの…」、早寝早起きで朝をめでるのが良い季節のようです。でもやっぱり「春眠暁をおぼえず…」かな。
クスリあれこれ No.57 2004年6月
青木 千紘
お薬ではない健康茶の効果
ただし、都合の悪いことは表記なし
「血圧の上昇を防ぐ」とか「血糖値の気になる方に」とか「中性脂肪を抑える」と、お薬のような飲み物がドラッグストアだけでなく、コンビニエンスストアでも販売されるようになりました。このような体の中の働きを助ける栄養を含む飲み物を機能性飲料といいます。一部の商品では、売上げが年に100億円以上と大ヒットしているようです。
機能性飲料の中には、特定保険用食品に指定されている商品もあります。特定保険用食品とは、含まれている成分が健康にいい機能であると厚生労働省によって認められた食品です。つまり、お薬ではないものを飲んで血圧や血糖値、中性脂肪を下げられるということになります。手軽に買えるということもあり、健康にちょっと不安のある方にとっては気になる商品ではないかと思います。
しかし、健康にいい成分は「お薬ではない」ことを強調し、都合の悪い副作用については全く書かれていません。そしてだいたいの商品に「お食事ごとに一緒に飲むと一層よいです」とか「毎日飲み続けることが大切です」と書いてあります。ということは、毎日飲まないとほとんど効果がないということです。
機能性飲料はお薬ではありません。しかし、穏やかとはいえ作用があれば副作用もあるはずで、効果にばかり期待するのは良くないと思います。また、機能性飲料はたくさん飲めば病気が治るというものではなく、目的はあくまで生活習慣病の予防です。本当に血圧や血糖値、中性脂肪が高い方にはお英やその他の治療(食事、運動など)が必要ですので、医師に相談してください。
こういった機能性飲料が売れているのは、健康志向が高まっている証拠でとても良いことだと思います。でも、本当に健康に気を使うなら、規則正しい生活とバランスのとれた食事と適性な運動をして、その補助に機能性飲料をとりいれればより効果的かと思います。
クスリあれこれ No.58 2004年8月
岡田まさ子
尿酸の増加原因となる生活習慣の改善が重要
高尿酸血症とは、血清中の尿酸が増加した状態で、日本痛風・核酸代謝学会による「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では血清尿酸値が7mg/dL以上と定義されています。現在、日本の成人男性の5人に1人は高尿酸血症だといわれています。女性は、女性ホルモンの働きにより腎臓からの尿酸の排泄がよいため痛風になりにくいといわれています。
高尿酸血症の治療は、血清尿酸値を是正し、合併症を予防することを目的としています。痛風は発作が起こっていない間はつい油断してしまいます。しかし尿酸値の高い状態が続くと、全身にさまざまな合併症(腎障害、尿路結石、心血管障害、脳血管障害)が起きてきます。
治療には生活習慣改善、食事療法、薬物療法があります。尿酸値が上りやすい生活習慣とは、過食、アルコールの飲み過ぎ、運動不足、それによる肥満や精神的ストレスなどです。食事は尿酸のもととなるプリン体を多く含む食品の摂り過ぎに注意し、バランスのよい食生活が重要です。薬物療法(尿酸降下薬)の導入は、合併症がある場合には、血清尿酸値8mg/dL以上、合併症がない場合は9mg/dL以上とされています。治療目標は、6mg/dL以下です。この目標値は痛風関節炎、腎障害や尿路結石を起こさないといわれています。尿酸降下薬を飲みはじめた直後に痛風関節炎が起きる場合があります。
痛風関節炎は、血清尿酸値が急に上昇した時はもちろんですが、急に低下した時にも起こしやすくなります。そのため尿酸値はゆっくりと目標値まで下げていきます。また長年、尿酸降下薬を服用している人も症状がないからといって自己判断で服用中止をしないでください。主治医の判断で中止しましょう。
まだまだ暑い日が続きますが、ビール(アルコール)の飲み過ぎにはご注意を!
クスリあれこれ No.59 2004年10月
菊池知美
まれだけれど、どんな薬でも、誰でも起こる
みなさんは、スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群:SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN、別名:ライエル症候群)という言葉を聞いたことがありますか?これらは、極めてまれな皮膚障害ですが、死に至ることもあります。
ウイルスや細菌による感染症、食物、物理的刺激、薬などによって起こるアレルギー性の皮膚反応と考えられていますが、薬が原因となる場合が多いとされています。発生頻度は人口100万人あたりSJSが年間1〜6人、TENが年間0.4〜1.2人と極めて低いですが、市販薬を含めどんな薬でも、誰でも起こる可能性はあります。
SJS、TENとはどんな症状なのでしょうか? 全身のかゆみとともに皮膚に赤い発疹が現れ、高熱がでます。特に唇や口などの粘膜がただれ、眼の充血が顕著に現れます。発疹が水泡に変わり、全身に広がると皮膚がむけ全身やけどの様な状態になります。ひどい場合には喉や肺、内臓もただれます。SJSが重症化してTENに移行するとされており、死亡率はSJSが6.3%、TENが20〜30%と言われています。また、皮膚障害が軽快した後も眼や呼吸器官などに障害を残すこともあります。
発症を回避するためにはどうしたら良いのでしょうか? @過去に薬でアレルギーを起こしたことがある人は必ず医療機関に申し出ましょう。A薬を服用後、おかしな発疹がでたら、薬を飲むのを止めてすぐに医療機関に受診してください。発症を予期することはできませんが、重症化するのを防ぐことはできます。 普通の薬疹と、SJSやTENとの大きな違いは、口や眼などの粘膜がただれることです。薬は体にとっては異物です。自分の体に合わないと、どんな副作用がでるかはわかりません。いつもと違うなと感じたら、遠慮なく主治医、薬剤師にご相談下さい。
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