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地域から頼りにされる薬局めざして

協同組合 医療と福祉
協同組合報 Vol.7, 2003年10月

事業所を訪ねる 6
(株)外苑企画商事 わかば薬局

処方箋枚数1日400枚

 (株)外苑企画商事には8つの薬局があるが、その中で規模の一番大きい所がわかば薬局だ。1990年に開設。東葛病院に隣接し、目の前に東葛看護専門学校がある。処方箋を持ってくる人はほとんどが東葛病院の患者さんであり、現在、その数1日400枚。以前は平均500枚だった。100枚減った理由は2つある、と管理薬剤師の平泉君江さんは説明する。

 「患者さんが減ったわけではないんです。処方箋が500枚ともなると、お待たせする時間が長くなってしまいます。病院で待って、また薬局で待たなければいけないわけですから、患者さんもくたびれます。待ち時間が30分になると、『処方箋を返してください。他の薬局に行きますから』と怒る方もいます。それで、待ち時間を短くするために、去年、姉妹店の江戸川台薬局がオープンしました」処方箋は現在の規模では400枚が限度だという。それでも平均待ち時間は20分。15分にもっていきたいと考えるが、いろいろ説明したいこともあるし、患者さんの話も聞きたい。「説明と納得」を大事にしつつ、待ち時間短縮の努力をする。

 もう一つの理由は、去年の4月の診療報酬改定によって薬剤の長期投与制限が解除され、原則制限なしとなったことによる。長期投薬が可能になったため、受診回数が減った患者さんもいる。

 「長期投薬についてはいい面、悪い面両方があります。血圧など状態が落ち着いている場合はいいですが、2カ月分も薬を出すとなると果たしてそれで疾患管理ができるかという問題がある。いずれにしても、医療費抑制政策のもとで患者さんそのものが減っている上に長期投薬でさらに減少に拍車がかかっていることは事実です」これまで調剤薬局は黒字の所が多かったが、今は経営が非常に厳しくなってきているそうだ。

 スタッフは薬剤師20人(うち2人産休中)、事務5人、介護関連2人、助手2人、総勢29人という大所帯だ。

 わかば薬局は新人を育てる場としての役割も担っている。東葛病院には内科から小児科、産科、療養病棟などさまざまな科があり、わかば薬局で処方する薬の種類も多い。そこで、外来処方の薬に関してはここでしっかり学び、1年間で一人立ちする。現在、4人の新人がここの研修委員の指導のもとで研修に励んでいる。

介護分野に深くかかわって

 薬局の玄関を入ると、左手に医療材料や介護用品を並べたコーナーがある。かなりの品数である。様子を見ていると、処方箋を出してからその売り場に行く人もいれば、処方箋を持たずに直行する人もいる。

 「直行する方は自宅で介護されている家族の方でしょう。東葛病院は胃ろうなど医療の必要な在宅患者さんをおおぜいみています。そういう在宅患者さんが必要とする医療材料や衛生材料、介護用品を揃えているんです。皆さん、気軽に来てくださいます」

 たとえば、ガーゼ1枚とっても、四角の普通のものならどの薬局でも買えるが、医療用となると簡単には手に入らない。ここには、たとえば経管栄養のチューブを差し込むためのYカット(Yの切れ目が入っている)のガーゼが置いてある。吸痰用の吸痰器、尿を溜めておくユローズパックなども置かれている。「あそこに行けば買えるし、いろいろ相談にも乗ってくれるよ」と、口コミで存在が知られるようになってきている。

 在宅患者さんの訪問服薬指導も行っている。月に平均35人の患者さん宅を訪問する。経管栄養の方が多く、30日分の栄養剤となると何箱にもなって非常に重い。車がなければ持ち帰ることは不可能だ。薬や栄養剤を届けながら服薬指導を行い、投薬カレンダーに薬をセットする。

 「福祉用具専門相談員がいて、福祉用具のレンタルもやっています。ベッドや車いすなど、介護保険だと1割を負担するだけで気軽にレンタルできますから、とても喜ばれています。そういう意味では、介護分野に深くかかわっている薬局だということも大きな特徴ですね」日本薬剤師会は02年度から「介護保険まちかど相談所事業」を推進しているが、わかば薬局は「まちかど相談所」として地域から頼りにされている。

規制緩和より安全性を

 政府の規制緩和の一環として医薬品の販売自由化が検討されており、さらに夜間・休日の販売についても検討が始められている。便利さ、効率化の波が医薬品にも押し寄せているのだ。

 サリドマイド事件もスモン事件も、市販薬で起こった薬害事件である。医薬品の規制はこうした事件の再発を防ぐためのものであることを忘れてはならない。全国薬害被害者団体連絡協議会は10月18日、「それでもコンビニでくすりを買いますか?」と題した薬害根絶フォーラムを開催した。

 「今、必要なのは、むしろ安全性を追求することです。外苑企画商事では安全性委員会をもうけ、それぞれの薬局から委員が参加して、全体で安全の問題に取り組んでいます」副作用についてもDI委員会(ドラッグ・インフォメーション)をつくって副作用情報を収集し、これを東京民医連、全日本民医連にあげ、全国から集まった情報によって知識を深め、副作用の被害を最小限に止めるための方策をとっている。新規採用薬については薬事委員会が慎重に検討する。

 安全性をどう追求していくか。薬局の社会的使命はますます高まっている、と平泉さんは身を引き締める。

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