たくみだより たくみ外苑薬局

2002. 晩夏号 たくみ外苑薬局

★今回は、頭痛についてです★

 頭痛は、日常生活の中で誰にでもおこる症状です。例えば、アイスクリームを食べた時、寝不足、風邪を引いたとき、二日酔いetc。それ以外にも日ごろから頭痛に悩まされている人も多いかと思います。頭痛はその原因によって対処法も異なりますので、それについて簡単に紹介していきたいと思います。

頭痛が起こる原因とは?

主に以下の3つに分かれます。

まずは原因が何かを突き止めてから治療を始めましょう。

気をつけなくてはならない頭痛は?

 脳や体に病気が無いのに繰り返し起こる頭痛は、主に血管性、緊張性の頭痛に大別され、どんなにひどくても命に差し支えありまん。しかし、これまでに経験した事のないような痛みには注意が必要です。
 とくにクモ膜下出血の頭痛は「頭の後ろをいきなりバットでなぐられた」ような激しい痛みが特徴です。頭痛もちの方でも「ふだんと違う痛み」を感じたら、脳の病気か隠れている可能性もあるので、早めに脳神経外科で診てもらいましょう。

薬によっておこる頭痛

 薬の副作用で頭痛が起こることがあります。主に血管を広げる薬(高血圧の薬、心臓の薬)や血圧を上げる作用のある薬、女性ホルモン剤によく見られます。薬に慣れてくると次第になくなる症状ですが、あまりひどかったり、続くようなら医師に相談されたほうがよいでしょう。
 また、頭痛薬を多く飲みすぎると、逆に痛みを誘発してしまうことがあります。(薬剤誘発性頭痛)頭痛薬の量が増えてきたと思ったら、他の対処法を考えてみましょう。
 その他、頭痛薬やカフェインを含む薬・食品を多量に常用している人が急にこれらをやめた場合に頭痛が起こることがあります。コーヒー・紅茶・コーラ・ドリンク剤などカフェインを多く含む食品の取りすぎに注意しましょう。

☆慢性の頭痛について☆

緊張性頭痛

症状 後頭部の重苦しさ、圧迫感がある
頭を金輪で締めつけられる感じ
誘発因子 肉体的ストレス(うつむき姿勢、肩こり、枕が高すぎる)
精神的ストレス(不安、うつ、神経症など)
 ※これらのストレスによって血行が悪くなり、筋肉が凝り固まってしまうことが原因です。
薬物治療 鎮痛薬のほかに、筋肉の凝りををほぐす薬や安定剤などを使います。(コリクール、ミオリラーク、デパスなど)
対処法 伸びをしたり肩を回したり、軽く体を動かしましょう
血流をよくするために適度なアルコールも効果的です
凝っている部分に蒸しタオルを当てたり、消炎鎮痛剤入りの湿布や塗り薬を使うのもよいでしょう


片頭痛

症状 がんがんする、ずきずきする(こめかみから目のあたりが多い)
じっとして耐えなければならない
吐き気、耳鳴り、視覚障害を伴う
誘発因子 ストレス、寝すぎ、月経周期(生理前・中)、
避妊薬(内服)、高血圧薬(ニフェジピンなど)、空腹、
食物(ワイン、チーズ、チョコレート等)
※上記のもので血管が拡張・炎症を起こします
薬物治療 鎮痛薬のほかに、血管に作用する片頭痛治療薬があります。(カフェルゴット、イミグラン、ゾーミッグなど)
痛みが頻繁にある場合は、予防薬を服用することもあります。(ジヒデルゴット、テラナス、ミグシスなど)
※血圧が高い方は医師とよく相談の上使用してください。
対処法 暗い静かな部屋で横になり、痛い部分を冷やしましょう。
一杯のお茶・コーヒーを飲む(適量のカフェインが効果あり)

薬の窓口から

Q. 今まで病院からもらっていた頭痛薬が急になくなったと言われました。なぜですか?

A. 2001年4月に厚生労働省の指導で、サリイタミン、セデスG、サリドンといった頭痛薬が供給停止となりました。
 これらの薬には4つの成分が配合されており、その中の「フェナセチン」という成分を長期間(10年以上)続けて服用することで腎・泌尿器系の副作用の報告があったこと、最近10年間で使用量が1.4倍に増加しており、長期連用につながる「薬への依存」が増えていると考えられたことが主な理由です。
 代替薬としては、比較的副作用が少ない薬として「アセトアミノフェン」が推奨されています。

編集後記

 緊張性頭痛の人はあまり根をつめない、思いつめないで頭重感を覚えたら休憩をしてリラックスするゆとりを持ちましょう。片頭痛の人は生活のリズムが崩れると頭痛が起こりやすいので、仕事量を毎日均等にならし、週末の夜更かし・寝すぎにも気をつけましょう。
 「たかが頭痛くらいで病院なんて」と思われるかもしれませんが、回数が多かったり鎮痛薬を飲んでも治らない場合は医師の診察を受けたほうがよいでしょう。頭痛外来を置いているところもありますが、ない場合は神経内科や脳神経外科などが専門になります。

<参考文献>