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クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟和解確認書調印式における厚生労働大臣発言

(平成14年3月25日12:10〜於:中央合同庁舎5号館講堂)

 本日ここにヤコブ病訴訟原告団の皆さんと一堂に会しまして、東京及び大津地方裁判所の和解勧告を受け入れ、その調印式を迎えるに当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと存じます。

 思い返しますと、1973年、日本は医療用具として脳硬膜製品の輸入を承認いたしましたが、それが原因となり、かくも悲しい現実が訪れようとは予想のできないことでありました。治療のため役立つものと信じて輸入いたしました製品によって新しい病気が発生し、しかも病状は進行の一途をたどり、適切な治療方法が発見されず、家族の心情あふれる介護もむなしく、多くの方々が亡くなられました現実を直視いたしましたとき、何とお詫びを申し上げるべきか思い悩む日々を続けてまいりました。

 罹患されました皆さん方は、治療の難しい脳内手術など、元の病気につきましては回復された。改めて人生の再スタートを切られたのであります。ご家族にも希望が戻り、ご本人も今後の人生にそれぞれの夢を見出し、将来にも皆期待を持たれたことでございましょう。そんな矢先の本疾患の発病であり、皆さん方のご無念は、生涯にわたり尽きないものとお察しを申し上げます。

 この事態に立ち至りましたことは返す返すも残念であり、医療に責任を持つ立場でありながら、命という償うことのできないものをなくし、あるいは、再起不能にした責任は重大であり、心からのお詫びを幾重に申し上げてもなお言い尽くせない心情が残り、言葉の足りなさを痛感をいたしております。

 今後、私はもとより、厚生労働省の職員一人一人が、重い荷物を背負いながら遠い道のりを行かなければならないと自身に言い聞かせているところでございます。

 1987年にアメリカで医原性CJDが発生しまして以来、日本においても70名を超える皆さん方が発病され、ご本人の無念は言うに及ばず、ご家族のご苦労は言語に尽くし難いものがあったと思います。

 お亡くなりになりました方々に心からのご冥福をお祈り申し上げますとともに、療養を続けておみえになります方々やご家族の皆さんに改めてお見舞いを申し上げたいと存じます。

 医薬品や医療器具の許認可を始め、人の生命に関わります分野への職員配置に配慮が足りず、そこに医療器具の許認可、承認の体制が不十分であったこと、さらに諸外国の活動状況や新しい研究成果などに対する掌握が足りなかったことなどを反省をいたしております。

 特に、医療を受ける側の声を十分に吸収できる組織作りを急ぎ、副作用や医療から生じます新しい病気の予防に努めますとともに、何かが発生したときには敏速な対応ができるよう体制を構築する決意でございます。

 最後になりますが、現在なお闘病生活を続けておみえになります皆さん方への医療・介護などに一層の支援を行い、この病気に対する治療法について一日も早く研究を進め、回復できる体制の確立を目指して最大限の努力をすることをここにお誓いを申し上げる次第でございます。

 このお誓いを申し上げて、私のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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