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[報告]ユネスコ(UNESCO)・世界科学者連盟(WFSW)
日本の薬害問題 −その過去・現在・未来と科学者・技術者の役割−
報告 藤井 基博(代々木病院 薬局)、柏原健(中野共立病院 薬局)
はじめに、発表論文にメッセージを寄せていただいた前田智恵子さんにお礼申し上げます。
■出発まで■
4月8日片平先生より発表の依頼。4月末日、要旨〆切。5月より同行者募集、カンパ活動→柏原健さん参加決定。6月仙台で薬害シンポ。8月英訳、発音テープ録り、スライドづくり、大勢の方から、メール・FAXで励ましのメッセージ。「科学・社会そして人権」をテーマにシンポジウムが準備される。
[Time Schedule]
8/22 成田発
8/22 バンクーバー発
Regina(レジャイナ)着
8/23 Executive Council
8/24-26 Millennium Symposium
8/26-27 General Assembly
8/27 薬局まわり;Banquet
8/28 リサーチセンター探索;Executive Council
8/29 レジャイナ発
バンクーバー発
8/30 成田着
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■カナダ8月23日
前日にもらったnativeの知り合いのMDを聞きながら、飛行機のなかで原稿直し。こんなに、忙しく機内を過ごしたのは初めて。
Reginaに到着。「地球の歩き方」にも書いてあったとおり、本当に、何もない。「なにもない場所は研究に適している。いろいろな発想がわくよ」とおっしゃっていた青森の石田先生を思い出す。20:00に繁華街にいったがすべての店がしまっており、歓迎されていないのか?疑ってしまった。Millennium Symposiumのポスターもみない。スープ、山盛りのサラダでメインの前におなかいっぱいになってしまう。
ホテルのとなりのコンビニでAspirin、zantacが売っていた。
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■カナダ8月24日;シンポジウム1日目■
Dr. Fred H. Knelman(カナダ、ヴィクトリア州の環境学者)の講演がよかった。「環境を保全するためには、判断が必要で、それにはそれぞれの権利を考えることが必要」「globalizationが貧富を生んではいけない」と述べられた。氏のサイン付き書籍「Every Life is a story」には各論のはじめに「Hiroshima,Nagasaki」が収載されている。口頭発表の1演題目;琉球大学の森林環境学の亀山先生が、「米軍の基地問題」について沖縄のすばらしい自然のOHPととりまぜて報告。海外でこの発表を聞くとは思わなかった。OKINAWAの空や海や、大地は「米国のもの」なんだ、と実感。夕方には、米国に留学中の小池葉子さん(補足;外苑企画商事小池社長のご令嬢)が夜に到着。20カ国100名の参加と現地leader post報道。(日本では、薬害根絶の碑1周年。)
■カナダ8月25日;シンポジウム2日目■
慶応大学発達生物学の星先生が講演される。「発達生物学の分野も、まだまだわからないことだらけ。生物の世界のたった1%しか私たちは知らない。人間はつけあがらないこと。」わかりやすいOHPで興味をそそられたので、今度は日本語でゆっくり話を聞きたい。
2人目の講演者のDr. Margaret Somerville(Faculty of Medicine & Faculty of Law, Director McGill Centre for Medicine, Montreal, Canada) さんは"Weaving Ethics into Science"という題目で話された。倫理は特別に考えるものではなく、場によって変わる(science time, medical time, business time, political time, nature timeなど)から、科学をするということは"ethics time"を過ごすことだと述べられた。「とくに、科学者は、"ethics"をどうみているかというと、science after science, science after science, ...で、現段階ではethics as "add on " after science doneすることが大切」と添えた。法律との関係では「倫理が法を形作らなければならない」とまるで、今の日本の薬剤師がおかれている状況といっしょだと感じる。さいごに「科学はある程度のレベルに来ているのだから、science の中でethicsをもう少し発達させる必要があり、それには良心が必要で、"science public"、みんなの認識が問われる」と結んだ。一般演題では、madagascalからは2日間かけて参加(-LONDON-REGINA)したMadame Andriamasy Ravelosoaさんがフランス語で。「子どもたちのemotion, intelligence, brain process,にはUNESCOの協力が必要」と訴えた。
■わたしたちの発表■
藤井の目標は、「原稿(当日配布した補足資料は裏面)をきっちり読むこと。なるべく、参加者をみること。」目標達成と思う。
昼食が大学から離れたホテルだったので、午後の発表は大幅に開始時間が遅れた。発表時間は20分だったのに、10分話したところで「Last
5 minutes」の紙が手元にきた。質問は、お一人から受けたのだが、非常に長い意見のあとの質問で、「人権を考えれば、その問題は日本だけのことではないと思うがどう思うか?」と聞こえたが、ちょっと意味が分からずとなりのポルトガル人の座長carvanioさんに「彼の質問のポイントを教えてくれ」と問うたが、「わたしもわからない」と言われてしまった。お手上げ。分からないときは、自分の言いたいことをと決めていたので、日本の状況を説明したが、やっぱり要求に合わず、他の発表者などから意見をいただき、助けられた。「日本だけのindividual
problem ではなく、systematicなところを学ばなければならない」との意見には、サリドマイドの被害にあわれたDr.
Gregor Wolbring(University of Calgary)から「国によって事情はちがう!」と異議が申し立てられた。発表後には、「この問題は日本の特殊性もあるが、これからもっともっと世界に向けて情報を発信しつづけなさい。そして、詳細をきちんと記録し、残しなさい。薬に関わる害はこれ一つではないし。」と励まされる。わたしの後には、Dr.
Gregor Wolbringが、科学者憲章にdisable(障害)の記載があり、disable people
の70%近くが働けていなく、サリドマイドから人権を学んで (lesson) ほしいと報告された。夕方、ホテルのロビーで、ネパールのわたしと同じ年のkrishna
prasad gaudelさんと約束をしていたので発表の話しの続きをした。彼は「drug-induced
suffering」を薬不足による害ととらえ、自国では公衆衛生の不備などで、マラリアなどに罹る子供たちが多いと話していた。こうして、彼がシンポジウムに参加している間にも、配給プログラムは停止してしまいとても心配だ、と絵はがきを見せながら話してくれた。住所を交換。
■カナダ8月26日;シンポジウム3日目
最終日。Dr. Carmen(Mendez-AltozanoAssociate Professor of International Law, the University of La Palmas, Spain)さんが、「平和をつくる方法」を話す。民主的とはどういうことか?(「Groupnizeは少数派の意見も守られなければならない」など)、あらためてふーーんと思わせる内容だった。そして、私たちに「平和バッジ」を学生カフェテリアで、突然くれたpeace council(地元の平和委員会)の熱弁が印象的。このReginaにも平和委員会があり、日本が被爆した2年後にはこの委員会が結成されたという。驚いた。「do peace is my challenge, our challenge, nation's challenge, energy challenge, world's challenge」という訴えが印象的。
;以上、本文すべて藤井の日記よりそのまま抜粋。シンポジウム後には毎晩ホテルで集まり、深夜まで演題内容の復習や、聞き取りのあわせを行いました。
□「国際シンポジウム参加記」中野共立病院 薬局 柏原健
今回、代々木病院の藤井さんの熱意と職場のみなさんのご協力により、国際シンポジウムに参加して、日本の薬害問題について世界の人々に広くアピールするという機会をえました。まずは、参加するにあたり様々な方々からあたたかいご支援をいただいたことに感謝いたします。「どんな人であっても薬害の被害者になっていいはずがない!」の気持ちで日本の薬害の歴史、問題点、薬害エイズ問題、現在裁判となっている薬害ヤコブ病について精いっぱい発言をしてきました。質問では、なぜ日本には事前にチェックするシステムがないのか?、監視する立場の者(厚生省と解釈)は何をしているのか?こちらが答えを聞きたくなるようなものも受けました。個人的に「これからもがんばって」と励まされたり、とても心強く感じました。 多くの方の力を借りて、なんとか無事に日本の薬害の現状を伝えることができ、非常に有意義なシンポジウム参加になりました。これをきっかけとして、さらに薬害に関心を持ってくれる人がふえたら、そして薬害問題の解決に少しでも役立つことができればこんな良いことはありません。そのためにも、今後も活動の輪が広がるようにがんばっていきたいと思っています。最後に、今回の参加に協力をしていただいた多くの方々に、この場をかりてもう一度お礼を述べたいと思います。本当にありがとうございました。
□「YAKUGAI」代々木病院 薬局 藤井 基博
「カナダでのシンポジウムで発表を」。片平先生からこのメールが届いたとき、わたしはつづきを読まずにPCの電源をオフにしました。まわりの熱意と、職場の支えもあり、2日後に引き受けることにしました。8月まではヤコブ裁判の経過も気になり、気持ちが入り混じりました。「英語」「経験をしていない薬害の学習」「スライド・原稿などの発表準備」に「カンパ活動」「各種学習会」そして宣伝。「発表は結局、セレモニーだろ」(お祭り、という意味ではありません。)と先輩からいわれたときには、肩の力が抜けた気がします。原告前田さんのメッセージは、淡々と読み上げました。気持ちは通じたことと思います。
ご支援いただいたみなさま。本当にありがとうございました。このほか、日本から参加された事務局や他の先生方にも、お礼申し上げます。
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