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くすりの話あれこれ

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No. 表題 執筆者
34 2007年12月1日 ヘリコバクター・ピロリ(通称ピロリ菌)ってなに? その1 中村めぐみ
33 2007年11月1日 「簡易懸濁法(かんいけんだくほう)」ということばを聞いたことがありますか? 一由 久美子
32 2007年10月1日 インフルエンザの予防を 谷本 昌義
31 2007年9月1日 ジェネリック、どれくらい広まっている? 岩本 麻里
30 2007年8月1日 コレステロールのくすり 北市 こずえ
29 2007年7月1日 コレステロールは体にとって必需品です 北市 こずえ

ヘリコバクター・ピロリ(通称ピロリ菌)ってなに? その1

 ヘリコバクター・ピロリ除菌に対して2007年8月、新たに保険適応になった薬が増え、最近話題になっています。今月号はヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)について、来月号はピロリ除菌に使う薬について特集します。

 ピロリ菌は人間の胃の中に住んでいる細菌です。名前の由来はヘリコ(らせん)、バクター(細菌)、ピロリ(胃の出口:ゆう門)という意味です。ピロリ菌は胃の中に定着することから、経口感染と考えられます。口からの感染(保菌している親と乳児の離乳食の口移し)、もしくは糞便からの感染(汚染された水・食品を介した感染)が挙げられます。

 ピロリ菌が問題なのは萎縮性胃炎(胃の粘膜が薄くなった状態)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌の発症と密接に関連した病原細菌だからです。ただし病気になるのは保菌者の約3割程度で、残りの7割の人は感染しながらも症状が現れない保菌者だと言われています。ピロリ菌が陽性であっても潰瘍のない時は過度のストレスや暴飲暴食を避けたり、禁煙するなどの日常生活の注意をすることにより潰瘍の発生は抑えられます。ピロリ菌と胃癌との関係では、胃癌の死亡率を減らすかどうかは確実にはわかっていません。

 しかしながら、ピロリ菌を除菌すると消化性潰瘍の再発を抑えられるということは明らかです。胃潰瘍のある人の60〜80%、十二指腸潰瘍のある人の90〜95%がピロリ菌陽性です。ピロリ菌の除菌により胃潰瘍の再発も抑えられ、十二指腸潰瘍では再発率が0〜20%まで軽減できると言われています。

 胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断された方は保険でピロリ菌の検査が出来ます。検査には胃カメラでとった胃の組織を必要とする検査(迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、、培養法)と胃の組織を必要としない検査(尿素呼気試験、抗ヘリコバクター・ピロリ抗体測定など)があります。

 胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療を長くされていて、ピロリ菌の有無を調べたい方は一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

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「簡易懸濁法(かんいけんだくほう)」ということばを聞いたことがありますか?

 注目されている「簡易懸濁法」について紹介します。この「簡易懸濁法」は、錠剤・カプセル剤を粉末状にせず、そのまま温湯(約55度)に入れて溶かして薬を服用する方法です。水を飲むときにむせたり、錠剤やカプセル剤のままでは薬が飲み込めない場合などに用いられます。最近では病院や薬局で採用されています。

 今までは、飲み込みの悪さが軽度または中程度までであれば、トロミをつけるなど工夫して服用していました。しかし重症の場合は、錠剤をつぶしたり、カプセルを開いて粉末状にしたものを、服用時に水やお湯に溶かして、口から服用してきました。口から服用できない場合は、鼻腔または胃や腸に入れた経管栄養チューブを通して注ぎ入れていました。

 従来の方法は、粉末状に調剤する過程で、機械や分包紙などに薬がついてしまい、薬の量に誤差が生じたり、調剤に時間がかかったりしていました。

 新しく登場した「簡易懸濁法」は、服用する直前まで錠剤・カプセル剤のままなので、粉末状にしたときと比べて、光や温度・湿度の影響を受けにくく、薬を何種類も混ぜることでおこる変化なども受けません。さらに、服用する直前に薬の確認もできるようになります。薬が変更になった時の対応も簡単にでき、今後の普及が期待される方法です。

 55℃のお湯は、熱湯と水を2対1で混ぜることで簡単に用意できます。溶けにくい薬の場合は、薬を軽くたたいて傷をいれることで溶けやすくなります。ただし、55℃で薬の効果に問題がある場合にはこの方法は用いることはできません。

 薬局では薬をお渡しするとき、1回分ずつの薬を包装してお渡ししています。現在、薬を粉末状にして服用している場合は、是非この簡易懸濁法が可能か薬剤師にご相談ください。

 なお、粉末状の薬は、光や温度・湿度に影響を受けやすいので、暗くて涼しい場所に保管しましょう。ビニール袋に乾燥剤を入れて冷蔵庫に保管すると薬の変質を遅らせる事ができます。

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インフルエンザの予防を

 インフルエンザの時期が近づいてきました。インフルエンザの流行は12月下旬から3月上旬までが中心です。特効薬とされるタミフルは新聞、テレビでご存知のように副作用の問題があるのでお勧めできません。そのため大切なのは予防することです。

 インフルエンザの予防にはマスクとうがい、手洗いが有効です。また、人ごみはうつる可能性が高くなります。病院の待合も注意が必要です。

 これらの予防策で心配な方、体力の落ちている高齢の方、呼吸器や循環器系の持病のある方、多くの人と接する機会がある方、少しでも症状を軽くしたい方はワクチンを摂取されるのも1つの方法です。インフルエンザワクチンはかかるのを完全に抑えることはできませんが、症状を軽くすることができるといわれています。接種には自治体や保険組合から補助が出ることがありますで、問い合わせてみてください。

 ワクチンの効果は現れるまで2、3週間かかり、約5ヶ月続きます。そこでワクチンの接種は11月から12月初旬までがお勧めです。

 ワクチンの副作用は注射したところの皮膚の腫れ、発赤、発熱、だるさがほとんどです。卵に強いアレルギーのある方は接種できませんので注意してください。

 インフルエンザにはA、B、C型とそれぞれ幾つかの種類がありますが、ワクチンにはそのうち3種類に対するものだけが一緒に入っています。そのため、ワクチンが効かないインフルエンザが流行することもあります。しかし、流行は複数のインフルエンザによって起こるため、3種類すべてが無効になることはまずありません。

 かかってしまったら体力を消費しないように安静にし、十分な水分と栄養を取ることが重要です。通常5日ほどで回復に向かいますが、改善しないときは必ず受診してください。また、ほかの人にうつさないように1週間はマスクをしてください。

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ジェネリック、どれくらい広まっている?

 ジェネリックという言葉をご存知ですか?テレビや新聞で目にする機会も多いと思います。

 たくみ外苑薬局でも多くのジェネリックを取り扱っています。そこで、来局患者さんのご協力のもと72名にジェネリックに関するアンケートをお願いしました。

 その結果、ジェネリックという言葉を知っている人は77人中44人(61%)でした。その情報源として、34人(77%)がテレビ、22人(50%)が新聞と答えました。ジェネリックに関して知っている内容も、「価格が安い」が42人(95%)、「成分が同じ」が27人(61%)と、有用性を強調しているメディアの影響が大きいことがうかがえます。ジェネリックは、有効成分は同じですが、製薬会社が違うため、添加物が異なることがあります。このような情報は、メディアではあまり伝えられていないのが現状です。

 現在薬をのみ続けている方62人に、「今、のんでいる薬の中にジェネリックが含まれているかどうか知っていますか」と聞いたところ、53人(85%)が知らないと答えました。また、ジェネリックに関して詳しく知りたい人は38人(53%)で、その内容は、「服用中の薬の中の、どれがジェネリックなのか」が27人(71%)で最も多く、次いで「価格は先発品と比べてどれくらい安いか」が22人(58%)でした。多くの方が、自分の薬の中にジェネリックがあるかどうかを知りたいと思っている現状が明らかになりました。

 ジェネリックの使用は、アメリカやイギリスなど欧米先進国ではすでに50%を越えていますが、日本ではまだ16%にすぎません。代々木病院、たくみ外苑薬局では、患者さんの薬代負担を軽くするため、以前から積極的にジェネリックの使用を進めています。一つの先発品に対していくつか存在するジェネリックの中から厳選し、安価で安全なジェネリックを提供しています。よく使われているものでは、プラバスタチンナトリウム、レニベーゼ、オメラップ、ニフェラートL、アルマイラーなどがあります。服用中の薬の中でどれがジェネリックなのかなど、詳しくお知りになりたい方は、お気軽に薬剤師にご相談ください。詳しくご説明いたします。

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コレステロールのくすり

 コレステロールの2回目。今回はくすりについてです。

 コレステロールは生命活動には欠くことのできないものですが、動脈硬化とも強い関連があります。心筋梗塞や狭心症がある人で、コレステロールが高い場合、生活習慣の見直しとともに、くすりの服用を始めます。(目安はLDLコレステロールが140mg/dl)

 コレステロールのくすりには(1)スタチン系(2)フィブラート系(3)イオン交換樹脂(4)プロブコール(5)EPA製剤などがあります。

(1) スタチン系=プラバスタチン、リピトール

 肝臓でのコレステロールの合成を抑制します。主な副作用として、手足の脱力感、腫れ、しびれ、痛み、赤褐色尿が現れることがあります。腎臓が悪い方やフィブラート系のくすりを併用している場合に起こりやすいといわれています。リピトールは肝障害を悪化させるおそれがあるため、肝炎、肝硬変の方は注意が必要です。

(2) フィブラート系=クロフィブラート、ベザテートSR

 中性脂肪を低下させる作用が強いという特徴があります。コレステロールから胆汁酸への排泄を促進させる作用もあります。腎臓から排泄されるため、腎臓の働きが悪い場合は通常より少ない量を用います。副作用はスタチン系とほぼ同様で、手足の脱力感、腫れ、しびれ、痛み、赤褐色尿です。 

(3) イオン交換樹脂=コレバイン、コレバインミニ

 腸管内でコレステロールを吸着し排泄します。副作用は便秘、腹部膨満感があります。

(4) プロブコール=プロブレタン

 コレステロールから胆汁酸への排泄を促進します。おもな副作用として不整脈があります。めまい、ふらつき、動悸などに注意してください。

(5) EPA製剤=エパデールS

 肝臓での中性脂肪の合成を抑制します。抗血小板作用により、動脈硬化予防作用もあります。おもな副作用は出血傾向です。

 ―気になることばー 横紋筋融解症 骨格筋の変成、壊死により筋細胞成分が血液中に流出する病態です。重症な場合は、急性腎不全になることもあります。自覚症状としては手足の脱力感、腫れ、しびれ、痛み、赤褐色尿等が現れます。このような場合には、ただちにくすりを中止し適切な処置が必要です。頻度は稀ですが、コレステロールのくすりを服用する方は知っておくとよいでしょう。

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コレステロールは体にとって必需品です

コレステロールのはたらき

 コレステロールと聞くと動脈硬化を引きおこす悪いもの!と考えている方が多いかもしれません。しかしコレステロールは、体の中の(1)細胞膜や(2)胆汁酸(3)ステロイド系ホルモンなどをつくる原料で、生命活動には欠くことのできないものです。

コレステロールの種類

 血液中の脂肪の主なものは(1)コレステロール(2)中性脂肪(3)リン脂質の3種類です。

 コレステロールにはLDLとHLDの2種類があります。LDL(悪玉コレステロール)はコレステロールを全身に運ぶはたらきがあります。使わないコレステロールを血管や末梢の組織に置いてきてしまいます。HDL(善玉コレステロール)は血管や末梢組織で使われないコレステロールを集めて肝臓に持ち帰ります。総コレステロールは次の式で表されます。

 [総コレステロール=LDL+HDL+0.2×中性脂肪]

動脈硬化とコレステロール

 コレステロールの値と動脈硬化には強い関連が見られます。「総コレステロール240mg/dl以上では200mg/dlより動脈硬化の発生率が2倍であった」という研究報告があります。一方、死亡率で見ると「総コレステロールが240〜280mg/dlが最も死亡率が低い」との報告があります。コレステロールを下げると動脈硬化による死亡は減りますが、癌や脳血管の病気による死亡が増えるためと考えられます。

治療の目安は?

 コレステロールの値が高くても心筋梗塞や狭心症がない場合はまず喫煙や食生活などの生活習慣の見直しを行います。動脈硬化の危険因子である糖尿病、高血圧などの予防のためにも食生活の見直しは大切です。心筋梗塞や狭心症がある人が薬物療法の対象となります。今までは総コレステロール220mg/dlが目標とされていましたが、今年からLDLコレステロール140mg/dl以下と変わりました。今まで総コレステロール値だけを目安に治療をしてきた場合は見直しが必要といえます。次回はくすりについて。

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