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くすりの話あれこれ

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No. 表題 執筆者
23 2007年1月1日 インフルエンザにご注意 谷本昌義
24 2007年2月1日 ノロウイルスの予防と消毒 楠本由美子
25 2007年3月1日 尿失禁 原田聡美
26 2007年4月1日 薬害ってなんだっけ 間規子
27 2007年5月1日 辛い?くすり〜生姜 斉藤典子
28 2007年6月1日 あなたのサプリメントは大丈夫?
〜薬との相互作用に気をつけましょう〜
鈴木明子

インフルエンザにご注意

インフルエンザの症状

 インフルエンザは急激に発病し、強い悪寒、39〜40℃の高熱、関節痛、筋肉痛、強い全身の疼痛が現われ、その後に鼻や喉の症状が出ます。普通の風邪では鼻や喉の症状が主で、症状も徐々に出てきます。

治療より予防を
 インフルエンザワクチン

 インフルエンザにかかると困る受験生、呼吸器系の病気を持っている人や体力の弱っている高齢者、多くの人と接する機会の多い人などは罹ってから治療するより、ワクチンの接種をしてはどうでしょう。

 インフルエンザワクチンは、効果が現れるまでに通常2週間程度かかり、約5カ月間その効果が持続します。インフルエンザの流行は12月下旬から3月上旬が中心になりますので、12月上旬までには接種をすませると効果的です。しかしこれからでも遅くありません。

特効薬タミフルの副作用

 運悪く罹ってしまったとしても通常は自然に回復します。しかし、少しでも早く治したい人や症状の重い人、体力に問題のある人はタミフルを使用することが多いです。しかし、タミフル服用後に呼吸抑制や異常行動による事故が発生しています。完全に無関係とはいえないようなので、注意が必要です。

注意すべき点

 異常行動(おびえ・恐怖の表情。突然大声で歌い出す。うわごとを言う。理由なく怒りだす、泣き出す、ニヤリと笑う。幻視・幻覚の表現など)がタミフル服用に関係なく10%程度の患者に見られたと報告されています。できるかぎり発熱初日、2日目に患者を一人にしないようにしてください。

 また、他人にうつさないように症状がよくなっても3日ほどはきちんとマスクをするようにしてください。

ノロウイルスの予防と消毒

予防するには

 ノロウイルスは感染力が強く、10〜100個のウイルスでも発病します。帰宅時、必ず流水・せっけんによる手洗いやうがいを行うなど自分で出来る予防を続けましょう。

■手洗い

 調理の前、食事の前、トイレに行った後、下痢等の汚物処理やオムツ交換等を行った後、手袋をして直接触れないようにしていても、手洗いは必ず行いましょう。石けんを十分泡立てブラシなどを使用して手指を洗浄します。すすぎは流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。石けんにはノロウイルスを直接死滅させる効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことで、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

■食品の加熱

 食品の中心温度85度以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。

二次感染の予防

 感染者の便からは億単位の数で検出されるといわれています。下痢などの症状が無くなっても1週間程度排出が続くことがあります。ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウム(5%家庭用塩素系漂白剤:ハイター等)が有効です。

■糞便や嘔吐物の処理

 ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあります。(1)すぐにふき取る (2)乾燥させない (3)消毒する がポイントです。床に飛び散った感染者の嘔吐物や糞便を処理するときは、使い捨てのマスクと手袋を着用し、汚物中のウイルスが飛び散らないようにペーパータオルで静かに拭き取ります。拭き取った物は、直ちにビニール袋に入れ10倍にうすめた塩素系漂白剤(水道水500ccにハイター50cc)を入れ消毒密封します。

■トイレの床・便座・ドアノブ等

 250倍にうすめた塩素系漂白剤(水道水2.5Lにハイター10cc)を浸したペーパータオルや布で拭き、消毒後、水で拭きます。

■調理台や調理器具

 調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、250倍にうすめた塩素系漂白剤(水道水2.5Lにハイター10cc)を使いペーパータオルで、浸すように拭き消毒します。まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85度以上)で1分以上の加熱が有効です。

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尿失禁

 尿失禁や頻尿などは、直接命に関わる病気ではありませんが、日常生活には大きな影響を及ぼします。今回は女性に多いと言われる尿失禁についてのお話です。

 尿失禁には大きくわけて三つのタイプがあります。最も多いタイプは、咳やくしゃみなどをした瞬間に尿がもれる「腹圧性尿失禁」です。この治療には、骨盤底筋訓練、薬物治療、手術治療があります。骨盤底筋訓練は、骨盤底筋という筋肉を強化することで、軽〜中症の場合に効果があります。薬物治療には、膀胱排尿筋を緩めるスピロペントという薬がありますが、副作用に動悸や手指の振るえがあるので注意が必要です。手術治療は、尿道に特殊なテープを設置することで腹圧による尿失禁を防ぐことができ、数日間の入院で実施できます。

 強い尿意が急に起こり我慢できずに尿がもれる場合を、「切迫性尿失禁」と言います。原因には、脳血管障害の後遺症や脊髄疾患による神経因性と加齢や骨盤底筋の筋力低下による非神経因性がありますが、原因不明のことも多いようです。

治療には、行動療法と薬物療法があります。行動療法には、排尿日誌をつけて計画的に排尿する定時排尿、排尿間隔を少しずつ延ばしていく膀胱訓練、水分制限などがあります。薬物療法では、膀胱収縮を抑えるバップベリンやポラキスが使われます。副作用に、口内乾燥、便秘、めまいなどがあり、ポラキスでは眠気がおこりやすいです。これらは、尿路閉塞や腸閉塞がある方には使えません。また、緑内障の方には使えない場合があります。

 二つが混合して起こる場合を「混合型尿失禁」といいます。他にも、風邪薬の服用で尿が出にくくなって起こる場合や、日常生活動作能力の低下によって起こる場合があります。

 以上のように、尿失禁の原因は様々ですが、冷えの予防や便秘を改善するなど、日常生活の中で工夫することによって予防と改善が可能です。ただし、尿失禁は病気を伴う場合もあるため、医師による適切な診断と治療が必要です。

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薬害ってなんだっけ

 薬害とは、「副作用とイコールではなく、危険情報を軽視ないし無視することでひきおこされた人災」(片平洌彦東洋大学教授)と説明できます。

 過去の薬害をみると外国と日本の危険情報に対する態度の違いが明らかです。

 「サリドマイド」−西ドイツで開発され、1958年日本発売された睡眠薬です。しかし1961年西ドイツの医師レンツ博士により、アザラシ四肢症などの奇形の危険性が報告されました。ドイツでは直ちに薬品の回収が始まりましたが、日本では1962年まで販売は継続されました。

 「スモン」―整腸剤キノホルムによる神経障害。国は、科学的調査によるキノホルムとスモンの因果関係を軽視し、根拠の無い奇病説やウイルス説をまかり通らせ、早急な被害の原因究明と対策をとらなかったことで、被害の拡大をもたらしました。この構造は公害水俣病にとても似ていると感じます。被害者は健康被害、生活被害、差別偏見の苦しみの中で薬害を認めさせる裁判を闘いました。

 「薬害エイズ」―濃縮凝固因子製剤は血友病治療薬として1978年より米国からの輸入が承認されました。しかし、1981〜1983年のFDA(米食品医薬品局)やCDC(米防疫センター)でエイズの危険性が報告され、米国では直ちに安全な加熱処理製剤への変更などの対策がとられましたが、日本ではその危険性を軽視し、不安な患者を根拠のない言葉で言いくるめ、更には同時期に本製剤の自己注射の承認までしてその使用量をのばしていきました。

 薬害の被害者は、因果関係の究明、加害者からの謝罪、被害に対する恒久対策を裁判で闘って勝ちとってきました。そして薬害を繰り返さないためにどうすべきかを提起してきました。しかし、日本では薬害の歴史が続いているのが現状です。

 私たち国民は誰もが薬害の被害者になる可能性があります。しかし、薬害に注目することで薬害の被害を繰り返さない抑止力になります。先ずは「薬害ってなんだっけ」からはじめてみませんか。

 現在裁判が行われている薬害には「薬害肝炎」「イレッサ」「タミフル」などがあります。

 今後多くの方の注目と裁判支援が求められています。

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辛い?くすり〜生姜

 青葉の季節。初鰹にショウガ等をたっぷり添えていただくのが楽しみです。ショウガはさわやかな芳香と辛味が特徴ですが、驚いたことに、日本料理、ハーブティ、菓子、パン

 飲み物、香水、入浴剤、飲み薬等、実に幅広く使われています。ただ、その美しい花は、日本では咲く前に寒くなり、刈り取るので、あまり見られないようです。

 食品としてはショウガと呼びますが、元々はショウキョウ(生薑)、「呉のはじかみ」などと呼ばれ、インドや東南アジアから中国を経て日本に入ってきたのは3世紀かそれ以前だそうです。帰化ハーブともいえますね。

 さて、くすりとして使う場合、呼び名のややこしさに戸惑います。日本では生の根茎は生姜(ショウキョウ)、生から干すと乾生姜(カンショウキョウ)と呼びます。これらは吐き気を抑える働きに優れ、消化液の分泌を促し、胃腸機能を整えるとともに、発汗作用があり、末梢の血液循環を促進し体を温めます。また、抗菌作用や穏やかな鎮痛作用もあります。蒸して干すと乾姜(カンキョウ)と呼び、発汗作用がなくなり、消化器を温める作用が強力になるとされます。ところが、中国では生から干したものを乾姜と呼びますから注意が必要です。生姜・乾姜は漢方薬処方の半分以上に使われています。

 家庭で使う場合、つわり、車酔いや二日酔い等の吐き気に、ショウガ汁を3〜10滴、お湯で飲みます。関節リウマチの痛みにも毎日少しずつ食べると症状が軽くなることが報告されています。風邪のときは、おろしショウガをハチミツ等で味つけしてお湯でのむとよいです。外用としては、お風呂に入れると下半身の冷えや痛みに効果があることが知られています。しかし、発汗や吐き気止め、健胃作用の優れた精油成分の多さなら、新鮮な生のものが一番です。

 気をつける事として、過剰にとると高血圧や不整脈、抑うつを起こす可能性が指摘されています。特に乾燥品は作用が強くなりますから、妊娠中の方、小児、極度に体力が落ちている方にはお勧めできません。他に胆汁排出を促したり、血小板が固まるのを防ぐ働きもあるので、胆石のある方や抗凝血薬をお飲みの方は医師、薬剤師に相談しましょう。安全な摂取量は生の根茎なら一日10円玉位の大きさを目安にするとよさそうです

 話題のつきないショウガです。旬の食材とともに、そして安全にどうぞ。

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あなたのサプリメントは大丈夫?
〜薬との相互作用に気をつけましょう〜

 サプリメントは売り上げを大幅に伸ばしています。医療機関にかかりながらもサプリメントに興味をお持ちの方が多いのではないでしょうか。

 そこで、2007年1月19日から31日の間、たくみ外苑薬局へ来られた患者さん126人のご協力のもと、サプリメントに関するアンケートをお願いしました。

 その結果、「現在サプリメントを使用」は27%、「以前使用していた」17%で、44%の人にサプリメントを使用した経験がありました。使用経験は男性が30%、女性は54%と女性の利用率が高いことが分かりました。ひと月にかかる金額は千円以上5千円未満の方が一番多数でした。使用期間は1年未満か2〜5年が多く、10年以上という方は7%でした。

 では、どのようなサプリメントが人気なのでしょうか。1位は青汁、2位お酢、3位コラーゲン、以下ビタミンB、総合ビタミン、コエンザイムQ10、イチョウ葉エキス、ウコン、ブルーベリーと続きます。全部で71種類の回答がありました。

 このうち、45種類(63%)には薬との相互作用があると報告されています。あなたのサプリメントは大丈夫でしょうか?例えば、青汁はワーファリンの作用を弱めてしまいます。イチョウ葉やウコンはワーファリンの作用を強めてしまうことがあります。

 次に、サプリメントに副作用はあるのでしょうか。サプリメントの使用で下痢・悪心・かゆみ・湿疹などの経験があった人が12.5%と予想以上に高い割合でありました。この結果から、サプリメントにも薬と同じような副作用があることが分かります。

 しかしながら、受診時に主治医にサプリメントの使用をあまり話していません。73%の方が全く話していません。診察時に話すことができなければ、ぜひ薬局で話して下さい。現在服用中の薬との飲み合わせや安全性などについて、即答はできないかもしれませんが調べてお答えいたします。不必要なサプリメントにお金を払ったり、サプリメントに頼りすぎて必要な治療の機会を逃さないようにしていきたいものです。

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