トップページ > 業務紹介 > 患者さん向け医薬品情報 > くらしと健康「くすりの話あれこれ」
| No. | 月 | 表題 | 執筆者 |
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2006年6月1日 | 下痢の治療薬 | 楠本由美子 |
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2006年7月1日 | 便秘 | 原田聡美 |
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2006年8月1日 | 〜脱水症にならないために〜 | 玉置梨絵 |
原因としてまずあげられるのは感染性の下痢です。腸に細菌やウイルスが侵入してきた時に、これを排除するための腸の反応で起こります。次にあげられるのは冷たい飲物を多量に飲んだ時などで、大量の水を吸収しきれない場合です。ホルモンや薬剤、ストレスなどの影響により腸の中に水分が分泌され腸の蠕動運動が亢進したときにも起こります。
感染性下痢症は、異物を排泄しようとする防御反応ですからむやみに薬を使うとかえって治癒が遅れることがあります。細菌性の下痢では、下痢止めを使用するよりも自然経過を待つことが大切になります。ノロウイルスなどのウイルス性の下痢症に抗生物質は使われません。効果がないばかりか正常の腸内細菌をやっつけてしまいます。危険なのは、大量の下痢や嘔吐で脱水状態になることです。水分の補給を適切にすることが最も基本であり大切です。
<治療薬>タンニン酸アルブミンは、収れん作用により腸の粘膜に保護膜を作り炎症をしずめます。アドソルビンは、過剰な水分や有害物質を吸着する作用があります。乳酸菌製剤は、腸内細菌の異常状態を改善するので急性腸炎の下痢に効果があるといわれています。リン酸コデインなど麻薬系統も腸管運動を抑える作用があり成人での激しい下痢に使用されます。同じく腸の動きを抑えて下痢を止める作用のあるロペラミド(ミロピン)は、成人の急性下痢に短期間使用する場合には有用なことがあります。小児用もありますが「小児の急性下痢の治療には使用しないこと」という報告もあり注意が必要です。正露丸は下痢止めとして市販されていますが、主成分のクレオソート(クレゾールやフェノールなどの混合物)は、人の細胞にとって毒(発癌物質)です。下痢が止まるのは、神経を麻痺させて腸の動きを抑える作用にあります。下痢になっても服用しないよう気をつけましょう。
下痢のときは、脱水を起こさないようできるだけ水分をとり、体力の消耗を防ぐためにも、食べられるものを食べるようにして安静に過ごすことが大切です。
楠本由美子(たくみ外苑薬局・薬剤師)
便秘とは、体に不要なもの(便)が排泄されないまま腸内に残っている状態のことで、毎日排便がなくても苦痛がなければ便秘とは言わず、毎日排便があっても便が残っている感じがするなど不満足な排便の場合は便秘と言えます。
便秘の原因としては、運動不足、不規則な食事、ストレス、腸の病気などがあげられます。特に高齢の方は、加齢に伴って腸の動きが弱くなるために、便秘になる傾向があります。排便周期には個人差がありますが、目安として3日以上排便がなくて不快な症状があり、日常生活に支障がある場合、適切な治療が必要となってきます。
便秘の治療は、第一に食事や運動など生活習慣の改善です。食事においては、さつまいも、きのこ、こんにゃく、りんご、バナナなどの食物繊維の多い食物をとることが有効と言われています。また、ヨーグルトに多く含まれている乳酸菌には、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を抑える働きがあり、腸の調子が整って便通が良くなります。普段の生活で体を動かす機会が少ない方は、運動で改善されることもあります。
それでも便秘が改善されない場合には、薬物治療が行われます。便秘の薬には、その状態によって様々なものがあります。便が硬い場合には、マグミット(酸化マグネシウム)という便を軟らかくする薬で排便しやすくします。腸の動きが悪くて排便されない場合は、センノサイド、アローゼン、ダイオウ、シンラック液などが有効です。両者の作用をあわせ持つものが、セチロです。下剤を服用する時、コップ1杯ほどの多めの水と一緒に飲むとより効果があります。必要であれば自分で調節しても構いません。その他、新レシカルボン坐薬やグリセリン浣腸などの外用薬もあります。また、整腸剤としては、ラックビーやミヤBMがあります。
排便は、体に不要なものを外に出す大切な生理機能の一つです。また、腸閉塞や大腸がんなど重大な病気の場合もあるので、便の状態や排便周期がいつもと違うようなら、受診や検診をしておくと良いでしょう。
原田聡美(たくみ外苑薬局・薬剤師)
ご高齢の方は脱水症になりやすいといわれます。なぜでしょうか?(1)筋肉が少ない。筋肉は必要な時に細胞を燃やして水分を作ります。(2)腎臓の機能が低い。体内の老廃物を捨てるために余計に多くの水分を必要とします。(3)感覚機能の低下。喉の渇きを感じにくくなります。(4)水分制限。夜間のトイレを恐れて水分を我慢する。以上がその理由です。
脱水症にならないためにはこまめな水分補給が大切です。水分制限のない人では1日1リットル強の水分を摂ればよいといわれています。朝、昼、夕の食事の時と10時、15時にコップ1杯の水分を飲めばよいでしょう。また、寝ている間にも呼吸により水分は失われています。このため朝方の脳梗塞や心筋梗塞が多いといわれていますので寝る前や、起床時に摂ることも良いですね。
しかし水分であればなんでもよいわけではありません。アルコール飲料は体の水分を排出する作用があり余計に脱水に近づいてしまうので避けましょう。お勧めなのは、電解質(塩分やミネラル)を含んだ飲料水です。普段ですと塩分や砂糖の摂りすぎになってしまいますが脱水症の時には是非利用したいものです。というのも汗と共に電解質が出ていってしまうからです。市販のスポーツドリンクは体がスムーズに吸収するには少し濃すぎるため倍くらいに薄めて飲むことをお勧めします。また、ご自宅でも簡単に似たような飲料水を作ることが出来ます。一度沸騰させた水1リットルに塩小さじ0.5杯と砂糖大さじ4.5杯を加えて出来上がりです。これにレモン果汁などを加えて飲みやすくしてもいいですね。もちろん水分制限や糖尿病、腎臓病などの方は主治医にご相談ください。
「喉が渇いた」と感じるときにはすでに体内の水分が足りない状態です。そのような状態にならないようこまめに水分補給をして、太陽の下、元気に夏を過ごしましょう。
玉置梨絵(たくみ外苑薬局・薬剤師)