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くすりの話あれこれ

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No. 表題 執筆者
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2005年8月1日 食中毒|7・8月がピーク 岡アユ子
7
2005年9月1日 骨組鬆症(上)〜骨の老化現象〜 楠本由美子
8
2005年10月1日 骨粗鬆症(下)〜予防と治療〜 楠本由美子
9
2005年11月1日 高尿酸血症の薬―医師の指示通りの服用が大切 原田 聡美
10
2005年12月1日 痛風の薬〜尿酸を増やさないことが大事〜 原田 聡美

食中毒|7・8月がピーク

 一般に汚染された食品を食べることにより「腹痛・下痢・嘔吐、高熱、麻痺」などを起こすことを「食中毒」といいます。細菌やウイルス、その毒素によるものが全体の9割以上を占め、例年6月頃から増え始め、気温・湿度が高くなる7・8月がピークです。

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 主な食中毒菌は卵によく付いているサルモネラ、鶏肉に多いカンピロバクター、魚介類で見られる腸炎ビブリオ、O157で有名な病原性大腸菌、人が持っている黄色ブドウ球菌などで、食品中で増えても色・味・においもしないことが多く、家庭でも発生することが少なくありません。

 食中毒予防の3原則は食中毒菌を「つけない」「増やさない」「殺菌する」食材はもとより手、調理器具などもよく洗い、十分な加熱をすることが必要です。

 そして食品の保存は生鮮食品だけでなく調理された食品についても温度管理に注意してください。手早く冷まして冷蔵・冷凍したり食べる直前に再加熱したりすることが大切です。

 子供や高齢者などでは重症化することもあります。食中毒は軽く考えず家族も含めた受診を考えてください。

 また、国際化に伴い海外旅行は増加傾向にありますが「旅行者下痢症」は30〜50%発症するといわれ、飲食物・ストレスが主な原因になっています。

 予防にはまず安全な水を確保することです。治療にも脱水予防のために水分補給・電解質補給が必要です。1〜2日で治らない時は医療機関を受診して検査と点滴や投薬などの治療を受けてください。

 下痢は悪いものを体の外に出す作用なので安易に下痢止めを使わないようにしましょう。

 抗菌剤も原因となる細菌等により使用法が異なりますし、健胃消化薬に含まれる制酸薬が胃酸の殺菌作用を抑えることもあります。

 持参薬を使いたい場合にも医師に相談するよううにしてください。

岡アユ子(たくみ外苑薬局・薬剤師)

骨組鬆症(上)〜骨の老化現象〜

 骨粗鬆症は、骨の主成分であるリン酸カルシウムやコラーゲンなどが減少し、骨が、目の粗い軽石のように、小さな孔がたくさんあいてスカスカになった状態をいいます。

 胃は、臓器を守る「保護作用」、体を支える「支持作用」、体内にカルシウムを貯蔵する「貯蔵作用」という3つの働きがあります。

 骨にカルシウムが蓄えられているのは、血液中のカルシウム濃度を一定に保つためです。血液中のカルシウムは、筋肉の収縮、神経の伝達など、生命維特に欠かせない役割を果たしています。カルシウムを摂る量が足りず、血液中のカルシウムが減ってしまうと、胃のカルシウムが溶け出し、骨は、弱くもろく、粗くなり、小さな衝撃でも折れやすくなるのです。

 また、胃は髪の毛や皮膚と同じように新陳代謝を繰り返しています。骨が古くなると「破骨細胞」という細胞が、古くなった骨の部分を溶かし、血液中にカルシウムを溶かし出します。これを「骨吸収」といいます。吸収が進むと、「骨芽細胞」という細胞が骨の溶かされた部分にコラーゲンを分泌し、カルシウムを沈着させるよう働き、骨を修復します。これを「骨形成」といいます。このように骨の吸収と形成を繰り返すことを「骨代謝」といいます。

 年をとると、この「骨代謝」そのものが衰え、骨吸収(破壊)に対して骨形成(修復)が追いつかなり、骨が壊されても修復しにくくなります。また、腸でのカルシウムの吸収を増やす「活性型ビタミンD」をつくる力も低下してきます。

 女性の場合、女性ホルモンが骨の形成を促進する作用があるので、ホルモンの減少により骨量も減り、閉経後は骨粗鬆症にかかる危険性が高くなります。

 男性の場合は、骨代謝が低下するとともに骨量に影響を与える男性ホルモンの分泌も減ってきます。65歳〜70歳位からかかる割合が多くなります。

 症状として、「腰や背中が痛い」「背が縮む」「背中が丸くなる」などの症状が現れます。診断には、骨密度測定が行われます。骨密度の若年成人平均値の70%以下の場合、骨組鬆症と診断されます。

楠本由美子(たくみ外苑薬局・薬剤師)

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骨粗鬆症(下)〜予防と治療〜

食事療法

 食事を通じてカルシウムを摂る事は、骨粗鬆症の予防と治療に不可欠です。骨量を増やすには、1日80mg以上のカルシウムが必要です。

 牛乳や乳製品、豆類、緑黄色野菜、小魚、海藻などを摂ることを心がけましょう。例えば牛乳200ccで約100mgのカルシウムが吸収されます。また、カルシウムの吸収を妨げる飲食物(リンを多く含むインスタント食品、食塩、アルコール、カフェインなど)を多く摂ることは避けましょう。

運動療法

 骨は運動による刺激がないと、もろくて弱い骨になります。骨粗鬆症の予防には、運動を続けて骨や筋肉を強くすることが重要です。高齢でも続ければ骨密度が増えてきます。

 散歩などの軽い連動を1回30分〜40分週に3回程度行うなど、体力にあった運動を習慣づけましょう。なお持病のある方は運動量を主治医に相談してください。

薬物療法

 骨を強くするには力ルシウム剤(アスパラカルシウムなど)や、ビタミンD剤(ディーアルファなど)があります。

 閉経後の骨粗鬆症に女性ホルモン剤(エストリールなど)、腰や背骨の痛みを伴った場合には吸収を抑えるカルシトニン製剤が有効です。

 骨折の予防に効果があるのはビスホスホネート剤です。この薬は破骨細胞が骨を溶かし、カルシウムを血液中に溶かし出すという働きを抑え骨量を増加させます。大変吸収されにくいので、食後に服用すると食物に含まれるカルシウムやマグネシウムと結合し、効果がなくなってしまいます。ミネラルウォーターにもカルシウムやマグネシウムが多く含まれるので、水道水で服用します。

 ビスホスホネート剤のうち「ダイドロネル」は、特に食物で吸収が大きく妨げられるため、必ず空腹時に服用し前後2時間は食事をとらないことが必要です。

 また「ベネット」は、朝起床空腹時(朝食の30分前)に服用し、潰瘍の発生予防のために服用後30分は横にならないことが必要です。

 その他に骨の形成を助げるビタミンKがあります。

 骨粗鬆症になると骨折しやすくなりますので、受診して積極的に治療することをお勧めします。

楠本由美子(たくみ外苑薬局・薬剤師)

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高尿酸血症の薬―医師の指示通りの服用が大切

 尿酸は細胞が代謝される時に作られる老廃物で、通常は体内で一定の量に保たれていますが、何らかの原因により血液中の尿酸の濃度が基準値(7mg/dL)より高くなった場合を、高尿酸血症といいます。

 尿酸値が高い状態が続くと、痛風、尿路結石、腎障害が起こる確率が高くなります。

 高尿酸血症の原因には遺伝因子と環境因子があり、そのほとんどが環境因子によるものです。

 環境因子としては、肥満、お酒の飲み過き、プリン体を多く含む食品(動物の内臓や魚介類の卵など)の過剰摂取、激しい運動、腎機能の低下、過食やストレス、薬剤などがあげられます。

 また、男性に多く、半数以上の方が高血圧や高脂血症を合併しています。

 尿酸値は、生活習慣を改善することでコントロールできる場合もありますが、ある程度進んでしまうと薬物治療が必要になります。

使われる薬は、尿酸値が高くなる原因によって異なります。

 尿酸が多く作られてしまうタイプには、尿酸の合成を抑えるアロリン(アロプリノール)が使われます。

 腎不全を起こしている場合は中毒を起こすことがあるので、少ない用量で十分に注意して服用する必要があります。

 尿酸を排泄する力が低下しているタイプには、ユリノーム(ペンズブロマロン)やベネシッド(プロベネシド)が使われます。

 ユリノームは尿酸排泄作用が強力ですが、まれに肝障害を引き起こすことがあるので、定期的に検査する必要があります。

 アロリンやベネシッドは、併用する薬によっては作用が強くなったり弱くなったりすることがあるので、他の病気で薬を服用する時は、主治医や薬剤師に相談してください。

 どの薬でも、副作用のおこる可能性があります。発疹や強いだるさなどがある時は、早めに受診してください。

 副作用がなければ、医師の指示通りにきちんと服用することが大切です。

原田 聡美(たくみ外苑薬局・薬剤師)

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痛風の薬〜尿酸を増やさないことが大事〜

 痛風は、関節が腫れて「風に当たっても痛い」というほどの激痛を伴う病気です。

 これは尿酸によるもので、何らかの原因で血液中の尿酸が増えて結晶化し、これが関節にたまると痛風発作を、腎臓にたまると腎臓結石や腎不全を起こし、皮下にたまるとこぶ状の痛風結節になります。

 高尿酸血症の人全てが痛風になるとは限りませんが、尿酸値が高いほど、その期間が長いほど、痛風や合併症を起こす確率は高くなります。

 痛風発作に対しては、薬物治療を行います。発作の数時間前に起こる「関節がジンジンする、腫れぼったい」という症状の時に、コルヒチンという薬を1錠だけ服用します。ただし、飲み続けると白血球減少などの重大な副作用があるので、服用には注意が必要です。

 コルヒチンで発作が鎮まらない場合は、インテバンSP(インドメタシン)やケンタン(ロキソプロフェン)などの非ステロイド性抗炎症薬を通常の2〜3倍の量で短期間服用します。

 その場合には、胃障筈や腎障害などの副作用に気を付けなければいけません。

 その他、薬物治療で注意すべき点は、発作特に尿酸値を下げる薬を服用するとかえって症状がひどくなることです。痛風の発作中は尿酸値を変えないのが治療の原則です。

 尿酸を増やさないために食事療法も治療には欠かせません。

 プリン体が多く含まれる魚の干物やレバーなどをとりすぎないように注意します。

 また、尿路結石の予防のために、海藻類、牛乳、緑黄色野菜など、尿をアルカリ性に傾ける食品を積極的にとるようにします。尿が酸性に傾くと、尿酸が溶けにくくなり結晶化しやすいからです。

 アルコールは尿酸の合成を促すだけでなく、尿酸の排泄を妨げ、尿酸値を高くします。

 また、肥満の解消のために運動は必要ですが、激しい運動は一時的に尿酸値を上昇させ、脂肪を燃焼させないので、減量の効果も期待できません。速歩や適度なジョギングなど体全体を使って行える軽い運動を行うようにすると良いでしょう。

原田 聡美(たくみ外苑薬局・薬剤師)

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