トップページ > 業務紹介 > 患者さん向け医薬品情報 > くらしと健康「くすりの話あれこれ」
| No. | 月 | 表題 | 執筆者 |
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2005年3月1日 | がん患者の命の重み、イレッサ訴訟が問いかけているもの | 高田満雄 |
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2005年4月1日 | 血液をさらさらにする薬 | 中村めぐみ |
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2005年5月1日 | 水虫のくすり|ぬり薬とのみ薬について | 北市こずえ |
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2005年6月1日 | 片頭痛とその治療薬 | 山口麻満子 |
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2005年7月1日 | 健康食品や輸入健康食品・薬は安全? | 谷本昌義 |
「副作用で死のうと思ってくすりを飲んだわけではない。つらい副作用に耐えても1日でも長く生きたいと思ってイレッサを飲んだのです。余命が半年、1年と宣告されたからこそ、その1日、1日は限りなく貴重だったのです」と原告は訴えます。
不意をつくように発症したイレッサの副作用である間質性肺炎で肉親を亡くした原告の無念さが胸を打ちます。副作用が少ない、夢の新薬と称されたイレッサは2002年7月の発売以来2年半で588名の副作用による死亡者を出したにもかかわらず、現在も使用が継続されています。
また、海外での大規模試験では延命効果が認められず、欧州ではアストラゼネカ社自身が申請取り下げ、アメリカでも回収を含め規制を検討されている中、厚生労働省は使用の継続を認めている状況です。
メーカーのデータ隠蔽の疑いもあり、また治験段階では十分な副作用の検討がされていない状況であったことは事実です。副作用について十分なデータもないまま使われる抗がん剤の治験体制のあり方も問題になっています。
実際の現場でこれを使うと助かるかもしれないという思いの中、患者さんに「イレッサを使いたい」と言われた時、医療従事者は、どのように考え、どのようにするのか。何を患者に伝えていくのか。様々なことが今イレッサの訴訟から問われています。
不幸にして肉親を副作用で亡くされた原告の無念さに心を寄せ支援しながら、自分達の医療、薬剤師として職能の役割を問い直したいと考えています。
2月16日薬害イレッサ東京訴訟の第1回公判が東京地裁102号大法廷で開廷。
地裁正面で宣伝行動を行う被害者の会原告と支援者。公判後に行われた報告集会の模様です。
高田満雄(外苑企画商事・薬剤師)
糖尿病、高血圧、高脂血症などの成人病は症状が悪化すると血液がどろどろすることがあります。血液が流れにくくなると血栓という血液のかたまりが生じ脳梗塞、心筋梗塞を引き起こしやすくなります。
そこで、血流改善のために血液をさらさらにする薬(以下:抗血栓薬)が使われます。当薬局で代表的な薬にバファリン81、チクピロン、ワーファリンなどが挙げられます。
バファリン81(成分:アスピリン)は血液を固まらせる血小板の働きを抑え血栓を予防します。バファリンと聞くとまず初めに解熱鎮痛剤として市販されている商品を連想する人が多いかと思われますが、市販されているバファリンはアスピリンの含有量が多く成分も様々で血栓防止目的には使われません。
ワーファリンは血液が固まる時に働く凝固因子を抑制し脳塞栓症、心筋梗塞症などを予防するお薬です。血液検査で血液の固まり易さを調べて慎重に投与量を設定します。
この薬はビタミンK含有食品と摂取すると作用が弱まります。ビタミンK(止血に必要なビタミン)を多く含む納豆、クロレラ、青汁はワーファリンを飲んでいる方には摂取できません。ほうれん草、春菊、ブロッコリーなどの緑色野菜は一時的に大量摂取しないで下さい。お浸しやお味噌汁に入れる程度にしておきましょう。
クランベリージュースはワーファリンの作用を強めるので飲まないで下さい。セントジョーンズワート(和名:西洋オトギリソウ、気分の落ち込みに効くとうたわれている)という健康食品はワーファリンの作用を弱めるので摂らないで下さい。さらに詳しく知りたい方は薬剤師に気軽にお尋ね下さい。
抗血栓薬の共通の注意点は効きすぎて出血しやすくなることです。皮下出血(紫色のあざ)、鼻血、歯磨きする際の歯茎からの出血、血便などの症状に気づいたら主治医に相談して下さい。
また抗血栓薬を飲んでいる方は抜歯、内視鏡検査、手術の際にお薬を一旦中止する必要がありますので主治医にあらかじめ伝えておきましょう。
中村めぐみ(たくみ外苑薬局・薬剤師)
水虫はカビの一種である白癖菌によって起こります。白癖菌は皮膚の表面にある角層の成分であるケラチンというタンパク質を栄養源としています。足だけでなく頭、股、体、手、爪にも寄生します。このうち足と爪の水虫が全体の8割を占めます。さらに足の水虫には、足の指の間にできるもの、水庖ができるもの、足底やかかとが厚く角質化するものがあります。
水虫のくすり・治療には白癬菌が増えるのを防ぐ「抗真菌薬」が使われます。ぬり薬とのみ薬があります。ぬり薬は足の指の水虫や水庖ができる夕イプに用いられます。主なぬり薬としてはマイコスポール、ラミシール、ハイアラージン等があります。患部の状態により軟膏、液剤などを使い分けます。ぬり薬が中まで浸透しにくい爪の水虫や角質化したものにはのみ薬を使うことがあります。主なのみ薬にはグリセチンV、イトリゾール、ラミシールがあります。のみ薬は効果がある反面、副作用や「のみあわせ」にも注意が必要です。グリセチンVは催奇形性(胎児への影響)があるため男女とも避妊の必要があります。イトリゾールは肝臓に影響するため定期的に検査をしながら服用します。「のみあわせ」も多数あります。ラミシールも肝臓や血液障害の副作用があるため定期的な検査が必要です。このためのみ薬の治療をするときは医師と充分相談した上で開始することになります。医師には服用中の薬は必ず伝えてください。「お薬情報」「お薬手帳」を活用しましょう。
市販の水虫の薬で治そうと考えている方も多いと思います。しかし自分で水虫と思っていたうちの半数近くが他の病気だったという報告もあります。皮膚科では皮膚の一部を顕徴鏡で見ることで水虫の確定診断ができまず。やはり皮膚科専門医を受診する方が安心です。
白癬菌は摂氏26度、湿度70%以上の時に最も活発になるといわれています。足を常に清潔で乾燥した状態にしておきましょう。バスマットなどはこまめに洗い日光に当てましょう。
家族全員で治療することも大切です。
北市こずえ(たくみ外苑薬局・薬剤師)
頭痛の中にも色々な種類があるのはご存知でしょうか?頭痛全体の約80%を占めるのは慢性頭痛で、さらに3つのタイプに分かれます。一般的に頭痛と言われ、最も頻度の高い「緊張型頭痛」、次に多い「片頭痛」、ごくまれな「群発性頭痛」です。今回は「片頭痛」についてお話します。
片頭痛は主に20〜40歳の女性に多い疾患です。特徴は脈に合わせてズキンズキンという痛みが生じ、嘔気を伴う場合が多く、光や音にも敏感になります。また月に1〜2回の割合で起こり、1回の頭痛は4〜72時間程度継続します。片頭痛の誘因としてはストレス、寝不足、気候の変化などがありますが、食べ物でも影響する場合があり、主にチーズ、チヨコレート、カフェイン、赤ワインなどの過剰摂取は避けた方が良いようです。
片頭痛の治療には「発作時の治療」と「予防的治療」があります。「発作時の治療」は片頭痛が生じた時、痛みそのものを軽減させる治療です。主な薬として、ゾーミッグRMやカフェルゴットなどが挙げられます。これらの薬は頭痛に対する不安から不必要に多用されることが多く、逆に頭痛を誘発してしまう場合があるので注意が必要です。またアセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛剤なども使用します。「予防的治療」は発作の頻度を減らし痛みの重症度を軽減させるもので、発作が生じていない時期に行う治療です。この治療は、医師が重症と判断した場合にのみ使用され、最終的には中止していくことを目標に行われます。主な薬にジヒデルゴットやテラナスなどがあり、また抗不安薬のデパスなども用いられることがあります。予防薬には発作を抑える作用はないので、もし発作が生じた場合は必要に応じて発作治療薬を頓用します。その際カフェルゴットとジヒデルゴットのように併用禁忌の場合もあるので注意して下さい。
片頭痛患者の約70%が医療機関を受診せず市販薬で済ませているようです。今回述べた以外で生命に危険を及ぼす頭痛もありますので、頻繁に頭痛が生じている方は早めの受診をお勧めいたします。
山口麻満子(たくみ外苑薬局・薬剤師)
最近、健康食品や海外の健康薬を飲んでいる方が多くなってきました。しかし、中には注意の必要なものもありますので、いくつかの注意点を挙げてみました。
新しいところでは、アマメシバのサプリメントを飲んで台湾で多くの死者が出ました。日本でも気管支炎を起こした報告があり、現在発売禁止になっています。
現在販売されている製品にも気をつけてください。気分を落ちつけるとして人気の「セントジョーンズワート」には、多くの薬の働きを強弱させてしまう作用があります。
また、脳の老化防止でよく利用される「イチョウ葉エキス」は、出血しやすくなります。さらに精製不十分な製品はアレルギーや皮膚炎を起こします。
ほかにも最近人気の「にがり」は、取りすぎると心臓の働きが悪くなったり、食事の栄養素の吸収が悪くなることがあるので、適量を取るようにしてください。
一般的に健康食品をとる場合は決められた使用量を守り、体調の悪化があれば、必ず医師・薬剤師に相談してください。
つい最近も中国製ダイエット食品の「天天素清脂こう嚢」で吐き気、下痢、腹痛などの被害がでています。過去にはダイエットや糖尿病用健康食品に甲状腺ホルモンや血糖降下剤が入っていたり、リウマチや痛みに効く健康食品に副腎皮質ホルモン(ステロイド)が入っていたりなど、作用が強く注意が必要な医薬品が使われていることがあります。
ほかにもアトピーに効果があると称した軟膏に、ステロイドが含まれていたり、強壮・強精剤の中にはバイアグラの仲間が入っていることがあります。
海外の健康食品、特に中国製の健康食品や漢方薬には表示されていない成分が入っていることがあり、服用には十分注意し、体調の悪化があれば中止してください。
谷本昌義(たくみ外苑薬局・薬剤師)