くすりの話 あれこれ ~代々木病院~

No.121:副作用の機序的分類

西村 清志 薬剤師 たくみ外苑薬局代々木病院

薬には主作用(薬効)のほかに大なり小なり副作用があります。
医薬品の添付文書に、副作用は臓器別(例えば脳、消化器、皮膚とか)に記載されています。

新しい試みとして、副作用を発現の仕方、機序的に分類してデータベースを作成しているNPO法人どんぐり未来塾という薬剤師の有志が運営している団体があります。

この機序的分類とは、医薬品の①薬理作用(薬の作用)、②薬物毒性、③薬物過敏症に分類します。

①の場合、発生頻度は投与量に依存するので、常に副作用をチェックします。副作用が発現したら投与量の減量、緩和な他剤への変更など対策が必要になります。

②の場合は、投与量、投与期間に依存するので、定期的な問診や検査が必要になります。副作用が発現したら、様子をみながら投与を継続、他剤への変更、中止などの対策が必要になります。

③の場合は、発現頻度は低く、投与量には依存せず投与開始して6ヶ月以内に発現するので、この期間に、発疹、皮膚炎、痒みなどの初期症状の問診や検査が必要になります。副作用が発現したらすみやかに中止、場合によってはステロイド剤を併用しながら投与継続するなどの対策が必要になります。この医薬品と同じ骨格をもった他の医薬品も注意しておく必要があります。

初めて使用する医薬品の場合は①と③、半年以上使用している場合は①と②に注意しておくとよいといわれています。

この観点で、副作用の情報提供やチェックをしていきながら、医薬品の安全な適正使用にお役にたっていきたいと思います。

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