サプリメントに頼らない生活

No.26:ネットにあふれるインチキ健康情報

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

2016年11月29日、大手IT企業ディー・エヌ・エー(DeNA)が運用する医療・ヘルスケア情報のまとめサイトWELQ(ウェルク)が閉鎖されました。がんなどの病名をネット検索したとき、同サイトが提供する不正確な医療情報が上位を占拠することが批判され、責任を認めたためです。
 標準的な治療情報を押しのけ、1文字1円以下の低い原稿料で作成した記事があふれ、患者さんをミスリードしていました。なかには、サプリメントのラクトフェリンがノロウイルスや放射能保護に効くという「薬機法」(旧薬事法)に違反する情報もありました。

同様なまとめサイトも問題となり、提供を控える動きが続きました。しかし、一番ひどいところがなくなっても、まだ危ない健康情報がネットにはあふれています。
販売業者は、健康不安から「心理的な援助を求めている人は、不安が高いので、どんな内容でも信じてしまう」事につけ込み、「心地よい内容であれば、偽の情報でも信じやすい」消費者者に夢を語り、サプリメントを売り込んでいます。
無料で手に入るネット情報でも、作成には費用がかかっています。情報提供者が誰の利益を代表しているのかを見抜く必要があります。
ネットになれた若者でも、ニュースの記事と広告を区別しているのは4割にとどまるという調査結果があります。

インチキな健康情報を見分けるキーワードは、「と、言われています」という語尾です。専門家であれば、決して使わない言葉ですので、覚えておきましょう。

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