サプリメントに頼らない生活

No.25:トクホ許可、責任はたさぬ消費者庁

藤竿伊知郎(外苑企画商事、薬剤師)

消費者庁は11月1日、業界団体の日本健康・栄養食品協会からの報告をもとに、特定保健用食品(トクホ)の成分に関する調査結果を公表しました。現在販売されている製品366品目で、含有量は許可条件通りで問題がなかったとしています。
しかし、許可を受けた1271品目中903品目は現在製造されておらず、201社中2社は連絡が取れないなど、許可した後は全く管理していないことも明らかになりました。

トクホは、「血圧が高めの方に適した食品」いうような効能表示が、国の審査により許可された食品です。機能を持つ成分を特定できること、ヒトでの臨床試験結果で有効性と安全性が示されることが求められます。2015年の販売額は6391億円ですが、お茶などの飲料が売上の3分の2をしめています。

一方、届出だけで販売できる「機能性表示食品」は、15年4月のスタートから11月8日までに500件が受理され、急速に増加しています。16年の販売額は、トクホの5分の1と予想されています。
届け出のガイドラインでは、トクホに準じた臨床試験か、審査のある専門誌で発表された複数の論文にもとづく評価による「機能性」の実証を求めています。しかし、製品での臨床試験は40件と1割未満です。

消費者庁は、実際より高い効果が期待できると思わせるような広告は「景品表示法」で取り締まり、売上額の3%に相当する課徴金を課すことができます。今後の不正販売を防ぐため、消費者優先で悪質業者を処分して欲しいと思います。

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